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米中相互関税の段階的撤回合意のビットコインへの影響

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  • 2019.11.08.

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2018年7月から始まった米中それぞれの輸入品に対する相互関税は、貿易戦争とも揶揄され、世界経済にまで影を落としていました。

その米中相互関税が段階的にではあるものの、撤回に向けて動くことに合意したと報じられました。

 

米中相互関税が段階的に撤回されることは、ビットコインについてどのような影響があるのでしょうか。

また今回の貿易戦争はビットコインのどのような側面を照らしてくれたのでしょうか。

詳しくご説明しましょう。

 

米中相互関税の段階的撤回が合意

2019年11月7日、米国と中国がそれぞれの輸入品に対して関税をかけていた制裁を、お互い段階的に撤回していくことに合意したと、米ニュース放送局のCNBCが報じました。

CNBC

画像引用:CNBC

 

報道によるとこの情報は中国商務省の報道官が明らかにしたもので、この合意に至るまでに2週間かけて交渉をおこない、段階的に追加関税を撤回していくことで一致したと説明しています。

またフェーズ1と呼ばれる第一段階の合意ができれば、設けた追加関税に対して同じレベルで撤回していくことができるため、非常に重要な合意であるとも説明しています。

 

このニュースが報道された翌日の11月8日、中国の新華社通信で、中国の税関総署と農務省が米国産の家禽類に対する輸入制限を解除することを検討していることが明らかになったと報道されています。

 

この報道を見ている限りは、本格的に関税を撤回するための具体案を検討しているようにもみえます。

国営新華社通信

画像引用:国営新華社通信

 

米中貿易戦争の経緯

そもそも米中がお互いに輸入品に対して関税を掛けあう貿易戦争に発展してきた経緯とはどのようなものなのでしょうか。

 

事の発端は中国による知的財産権侵害があり、それに対抗するために米がとった措置が関税でした。

これが契機となり、両国のほぼ全ての輸入品に対して関税を掛けあう事態に発展しました。

 

関税の第1段階は2018年7月でした。

米が半導体やロボット関連品に対して25%、およそ340億ドルの関税を掛けると、中国は大豆や牛肉などに同様の25%、340億ドルの関税を掛けました。

 

第2段階は翌月の2018年8月です。

米が化学品や鉄道車両などに25%、およそ160億ドルの関税を掛けると、また中国も石炭などに25%、160億ドルの関税を掛けます。

 

第3段階も第2段階の翌月、2018年9月のことです。

米が家電製品や果物類に25%、およそ2,000億ドルの関税をかけると、中国は液化天然ガスや加工食品に最大で25%、およそ600億ドルの関税を掛けています。

 

2019年に入ると関税合戦は激化し、第4段階に突入していきます。

米は上記の25%の関税を30%に引き上げ、スマホやテレビなどに15%、3,000億ドル分の関税を掛け、中国も自動車や大豆などに掛けていた関税をさらに5%から最大10%引き上げています。

 

これを見ると、いかに泥沼状態であったかが分かるでしょう。

しかも米中の貿易戦争は、どちらも経済大国であったため、世界中の経済が混乱に巻き込まれてしまいました。

 

合意が締結されるまでは予断を許さない

上記の報道は、あくまでも中国商務省の報道官による情報であり、現時点で合意が締結されたわけではありません。

つまり、話だけということです。

この報道官は、今回の合意を署名締結する場所やタイミングなどは、現在交渉中であるとしており、実際に合意が締結されるまではどのように状況が変化するかは不明で、予断を許さない状況です。

 

REUTERSの報道では、トランプ大統領と習近平国家主席との会談そのものが12月になる可能性もあるため、今回の合意締結についても具体的な時期は未定とのことです。

REUTERS

画像引用:REUTERS

 

関税撤回報道によるビットコイン価格の動き

ではこの米中貿易戦争が段階的に撤回に向かうとされた報道は、ビットコイン価格にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。

 

下のチャート図はtradingviewBTCJPYの5日間データで、2019年11月8日21時少し前のものです。

チャート図の中にある赤い縦線は、報道があったと思われるタイミングをあらわしています。

 

このチャートを見る限りでは、ビットコイン価格は大きく下落しつつあります。

tradingviewBTCJPY

画像引用:tradingviewBTCJPY

 

もうひとつ、2019年初めから今までのビットコインの値動きを見ていただきましょう。

tradingviewBTCJPY

画像引用:tradingviewBTCJPY

 

米中貿易戦争によって、今年5月頃から株価が大きく下落しましたが、このチャートをみると5月頃からビットコイン価格が株価とは逆の動き、すなわち大きく上昇し始めていることが分かるでしょう。

この値動きは、ビットコインが株価とは連動しないことや、安全な資産であることを世の中に知らしめる結果となりました。

 

これまでもビットコインは、国家経済の不安定化やハイパーインフレ、政情不安などが起きると価格が上昇するといわれてきました。

事実、香港のデモでもやはりビットコイン価格は上昇しています。

今年5月頃は米中貿易戦争がビットコイン価格を押し上げたというわけです。

 

そして今回の米中貿易戦争が収束に向かうのではと期待する報道があると、ビットコイン価格は下落しているわけです。

 

この報道によって、株価がどうなるかが気になるところですが、おそらく上昇に転じているのではないでしょうか。

 

米は段階的撤回の合意を否定

米中相互関税の段階的撤回について合意されたとの報道以降、ビットコイン価格が下落していることについてご説明しました。

 

ただし、説明してきたのは中国側から発信された情報をベースにしたものです。

実は中国側の段階的撤回合意報道に対し、11月8日に米のピーター・ナヴァロ大統領補佐官がテレビで、現時点では合意していないと否定したと報道されています。

 

ナヴァロ大統領補佐官は対中強硬派として知られた人物ですが、中国の報道官と米のナヴァロ大統領補佐官の話は全く異なります。

ただし、米中両国が関税撤回に向けて協議していることは知られており、両者の発言は駆け引きなのかもしれません。

ここで重要なことは、両者の発言が駆け引きであった場合、株式市場やビットコイン市場はどちらの発言を信じるかです。

 

中国の発言に信憑性を感じるのであれば、株式市場からビットコイン市場に流れてきた人々はまた株式市場に戻ってしまう可能性があります。

こうなるとビットコイン価格はさらに下落してしまうことも予想されます。

 

一方、米の発言に信憑性を感じるのであれば、状況がはっきりするまで価格は停滞するか、もしくは値上がりしていく可能性も残されているでしょう。

 

果たして株式市場やビットコイン市場はどう判断するのでしょうか。

 

まとめ

中国側が発言した米中相互関税の段階的撤廃の合意に関連し、ビットコイン価格についてもご説明しました。

 

株式市場を含め、ビットコイン市場も世の中の情報によって値動きが変わってきます。

特に今回のような駆け引き報道があった場合には、振り回されてしまうケースがあり、報道の本質を見極めたうえで取引に活用しなければなりません。

 

またしばらくの間、ニュースやチャートから目が離せない状況が続いてしまうということになりそうです。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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