DeribitとBitMexからの引っ越し先としてBybit・FXGT・FTX・BinanceFuturesの4社を比較
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- 2020.06.06.
- 仮想通貨FXブログ
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2020年4月末、海外仮想通貨FX取引所大手のBitMEXが日本居住者の仮想通貨取引サービスを停止することを発表しました。
これは2020年5月1日から施行されている日本の金融商品取引法及び資金決済に関する法律に対応したものです。
そしてBitMEXに続き、仮想通貨オプション取引所Deribitも5月1日から日本居住者のユーザーに対して取引サービスと新規の口座開設を停止しています。
すでに取引所を移行している方も多いと思いますが、まだBitMEXやDeribitの移行先としてどの海外取引所がいいのか、迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、DeribitとBitMexからの引っ越し先として考えられる、Bybit・FXGT・FTX・BinanceFuturesの4取引所を以下の6項目で比較してみました。
- 最大レバレッジ倍率
- 流動性の高さ
- 取引の種類と取扱数
- 手数料(取引手数料、資金調達手数料、出金手数料)
- KYC認証なしで取引できるか
- サポート(日本語対応)
どの取引所が自分に向いているのか、引っ越し先を検討される際の判断材料としてお役立て下さい。
最大レバレッジ倍率
仮想通貨FXにおいて、国内と海外の取引所の最も大きな違いはレバレッジ倍率でしょう。
BitMEXもDeribitも最大レバレッジ倍率は100倍でしたが、以下の表のように、4取引所はいずれも100倍以上になっています。
取引所名 | 最大レバレッジ倍率 | 最小レバレッジ倍率 |
FXGT | 500倍 | 5倍 |
Binance Futures | 125倍 | 1倍 |
FTX | 101倍 | 1倍 |
Bybit | 100倍 | 1倍 |
最大レバレッジ倍率が最も大きいのは500倍のFXGTですが、最小レバレッジ倍率は5倍になっています。
つまり、FXGT以外の3取引所はヘッジショートが可能ですが、FXGTはヘッジショートの運用ができない点に注意が必要です。
流動性の高さ
取引所を選ぶ上で、その取引所で活発に取引が行われているかどうかをチェックすることは非常に重要です。
なぜなら取引が活発で流動性が高いと、注文を出したときに買い手や売り手がより迅速に見つかるため、注文が通らないというような機会損失を最小限に抑えることができるからです。
以下は、流動性の高さの参考になる仮想通貨取引所の未決済建玉と取引高のランキングです。
出典:https://www.coingecko.com/ja/%E4%BA%A4%E6%8F%9B%E6%89%80/derivatives
(2020年6月5日現在)
4取引所の中で、上位にランキングされているのはBinance Futures、FTX、Bybitの3社です。
Binance Futuresが4.68億ドル(約510億円)で4位、FTXが5位、Bybitが6位にランクインしています。
海外では非常に知名度が高いDeribitが7位であることから、それを上回っているこの3社は十分に流動性があることが分かります。
なお、FXGTはデータがなかったため、流動性についての比較はできませんでした。
取引の種類と取り扱い銘柄数
4取引所を、取扱商品の種類ごとに、取り扱い銘柄の数を比較してみました。
※ビットコインの取引だけできれば問題ないという方は、この章は読み飛ばしていただいて結構です。
無期限先物契約/仮想通貨FX
FXGTのみ、無期限先物契約は存在せず、仮想通貨FXでの取引を提供しています。
※仮想通貨FXは、外国為替証拠金取引(FX)同様に、仮想通貨をレバレッジ取引することで、日本の取引所の多くはこの方式でレバレッジ取引を提供しています。
無期限先物契約と大きく違う点は、次項でご説明している取引時の手数料体系です。
取引所名 | 無期限先物 | 仮想通貨FX |
FTX | 34 | - |
Binance Futures | 25 | - |
FXGT | - | 13 |
Bybit | 5 | - |
無期限先物契約の取り扱い数が最も多いのはFTX、続いてBinanceFuturesとなっています。
これはBTCに加えて、アルトコインの無期限先物契約を多く提供していることを示しています。
アルトコインの無期限先物契約によりたくさん参加したい方は、FTXかBinanceFuturesを選択するとよいでしょう。
先物契約(期限付き)
取引所名 | 先物 |
FTX | 102 |
BinanceFutures | 0 |
FXGT | 0 |
Bybit | 0 |
期限付きの先物契約は、4取引所の中でFTXだけが取り扱っています。
BitMEXやDeribitで先物契約を行っていた方は、FTX以外の3取引所が先物契約を取り扱っていないことに注意して下さい。
オプション取引
取引所名 | オプション |
BinanceFutures | 3* |
FTX | 1 |
FXGT | 0 |
Bybit | 0 |
*スマホアプリでのみ提供
オプション取引はFTXとBinance Futuresが取り扱っていますが、Binance Futuresはスマホアプリでのみ提供されています。
Deribitでオプション取引を行っていた方は、FTXかBinance Futuresのどちらかを選択するとよいでしょう。
手数料(取引手数料、資金調達手数料、出金手数料)
4取引所における、次の3つの手数料の違いを見てみましょう。
- 取引手数料
- 資金調達手数料(スワップ含む)
- 出金手数料
取引手数料
BybitとFTX、Binance Futuresは手数料モデルにメイカー・テイカ-モデルを採用していますが、FXGTはスプレッド制です。
FXGTは外国為替証拠金取引(FX)同様の手数料方式を採用していますが、取引手数料が無料ですので、売値と買値の差額であるスプレッドが実質の手数料となっています。。
※外国為替証拠金取引(FX)では、ユーザーが1取引の中で支払う手数料は
「取引手数料×2(ポジション建てと決済の往復分)+スプレッド」
になります。
メイカー手数料
取引所名 | メイカー手数料 | 備考 |
Bybit | -0.025% | |
FXGT | スプレッド制(最小1.75ドル) | ※BTC/USDの場合 ※相場の状況により拡大する |
BinanceFutures | 0.02% | ※30日間の取引量とBNB*保有数が多ければ安くなる ※BNB*を手数料に使えば10%オフ |
FTX | 0.02% | ※30日間の取引量が多ければ安くなる ※レバレッジ50倍のときに0.02%、100倍のときに0.03%加算される |
*Binanceが発行するトークンのこと
メイカー手数料が最もお得なのは、Bybitです。
マイナス手数料のため、メイカーで取引すればするほどリベートをもらえるしくみです。
たとえば100万円のポジションをメイカーでもったときに、250円(100万円×0.025%)、もらえます。
また、FXGTはスプレッド制を採用しており、最小スプレッドが1.75ドルと非常に安いです。
筆者が確認した5月30日の時点でスプレッドは3.53ドル(売値9404.32ドル、買値9497.85ドル)ありましたが、これを手数料率にすると0.037%です。
Binance FuturesとFTXのメイカー手数料の往復分0.04%(0.02%×2回)よりも若干安くなります。
ただし、スプレッドは相場の状況により拡大することがありますので、いつも安くなるとは限らず、高くつく場合もあることに注意してください。
テイカ-手数料
取引所名 | テイカ-手数料 | 備考 |
FXGT | スプレッド制 (最小1.75ドル) | ※BTC/USDの場合 ※相場の状況により拡大する |
BinanceFutures | 0.040% | ※30日間の取引量とBNB保有数が多ければ安くなる ※BNBを手数料に使えば10%オフ |
FTX | 0.040% | ※30日間の取引量が多ければ安くなる ※レバレッジ50倍のときに0.02%、100倍のときに0.03%加算される |
Bybit | 0.075% |
テイカ-手数料がお得なのは、スプレッド制を採用しているFXGTです。
筆者が確認した5月30日の時点でスプレッドは3.53ドル(売値9404.32ドル、買値9497.85ドル)ありましたが、これを手数料率にすると0.037%です。
この0.037%のスプレッド率は、Binance FuturesとFTXのテイカ-手数料の往復分0.08%(004%×2回)と比べると非常に安いといえます。
Binance Futuresは、Binanceが発行するトークンBNBを手数料に使うと10%オフになり、0.036%まで割引されます。
資金調達手数料(スワップ含む)
資金調達手数料は無期限の先物契約を取引するときに、レバレッジ手数料(スワップ)は仮想通貨FXを取引するときに支払う手数料です。
共通点は、定められたタイミングを超えてポジションを持ち続けるときに支払いが必要なことです。
ただし、資金調達料は「片方のポジションの保有者が支払えば、もう片方のポジションの保有者がもらえる」ものですが、レバレッジ手数料(スワップ)は、ロングポジションであってもショートポジションであっても、支払いが必要です。
仮想通貨FXを提供するFXGTを利用するときは、ロングポジションもショートポジションも支払いが必要なので、注意してください。
今回は100万円のロングポジションを1日持ち越したと仮定して、資金調達料の実績値を基に実際に支払う価格を計算してみました。
取引所名 | 資金調達手数料またはスワップ | 備考 |
BinanceFutures | 32円(手数料率の合計 0.0032%) | |
Bybit | 300円(〃0.03%) | |
FTX | 405円(〃0.0405%) | |
FXGT | 630円(〃0.063%) | *ショートポジションの場合は510円(0.051%) |
*100万円分のロングポジションを、24時間持ち続けたと仮定して計算
*2020年5月29日0時~24時の資金調達率の実績を基にした
*FXGTはスワップの履歴が公開されていないため、平均スワップレート×6回とした
最も資金調達手数料が安かったのはBinanceFuturesです。
他の3取引所よりも桁がひとつ小さく、32円の手数料の支払いで済みました。
反対に最も高くついたのは、FXGTです。
ゆえに、FXGTはポジションを長期で保有するのには向かないでしょう。
レバレッジは500倍あるため、大きなポジションをもち短い間隔で決済するスキャルピングや、デイトレード向きの取引所といえます。
なお4取引所における、手数料が発生するタイミングと時間は次の表のとおりです。
取引所名 | 発生間隔 | 発生時間(日本時間) |
Bybit | 8時間毎 | 1:00/9:00/17:00 |
BinanceFutures | 8時間毎 | 1:00/9:00/17:00 |
FTX | 1時間毎 | 毎時間 |
FXGT | 4時間毎 | 6:00/10:00/14:00/18:00/22:00/2:00 |
出金手数料
取引所名 | BTC出金手数料 |
FXGT | 無料 |
FTX | 無料 |
BinanceFutures | 0.0004BTC |
Bybit | 0.0005BTC |
FXGTとFTXは取引所が出金手数料を負担してくれるため、無料です。
KYC認証なしで取引できるか
KYC認証なしで取引できるのは、次の表のとおり、BybitとBinance Futures、FTXです。
取引所名 | KYC認証なし | 制限事項 |
Bybit | 可能 | なし |
BinanceFutures | 可能 | 出金制限(24時間あたり2BTCまで) |
FTX | 可能 | ・出金制限(累計1000ドル) ・名前と居住国の入力で、1日あたり2000ドルまでの出金が可能 |
FXGT | 不可 | 取引できない |
特にBybitは本人確認なしで取引でき、制限事項もありません。
Binance Futuresは、24時間あたりの出金可能額が2BTCまでに制限されますが、それ以上の額を送りたい方は小出しにすれば問題ないでしょう。
FTXは、アカウント登録しただけの状態では累計出金額が1000ドル(約11万円)に制限されますが、名前と居住国を入力すれば24時間あたり2000ドルまでと制限がゆるくなります。
FXGTは本人確認しないと取引することができません。
サポート(日本語対応)
4取引所における日本語対応状況は、次の表のとおりです。
<日本語対応状況>
取引所名 | Webサイト | 取引画面 | 問い合わせ |
Bybit | ○ | ○ | ○ |
FXGT | ○ | ○ | ○ |
FTX | ○ | ○ | × |
BinanceFutures | × | × | × |
BybitとFXGTはWebサイトや取引画面、問い合わせのすべてが日本語に対応しています。
特にBybitは24時間サポートに対応しているため、困ったときにすぐ問い合わせできるのは大きなメリットでしょう。
4つの取引所の際立つメリット
Bybit
Bybitを使う最大のメリットは、一般的な取引所のおよそ10倍という圧倒的なスピードで処理できる業界最強のサーバー能力により、大口取引でも瞬時に処理が可能なことです。
トレードの収益に大きく影響する注文の約定スピードへの懸念は不要です。
また、24時間対応の充実したサポート体制で日本語にも完全対応しているので、初めて海外の取引所を利用する人でも戸惑うことは少なく、安心して使えるでしょう。
本人確認不要で制限なく取引できることやメイカー手数料がマイナスなことも他にはないメリットです。
メイカーをうまく活用できれば利益を増やすこともできるでしょう。
FXGT
FXGTのメリットは、500倍ものハイレバレッジに対応していることと取引ツールMT5を使えること、日本円建てで取引ができることです。
4取引所の中で、唯一日本円での入出金ができるのもメリットといえます。
MT5はEA(自動取引プログラム)を使用できますので、取引画面を常時監視しなくても自動で取引がおこなえます。
トレードにあまり時間が割けないという人や、これまでEA取引をしていた人にはメリットが大きいでしょう。
FTX
FTXのメリットは、取扱商品数が非常に多いこととアルトコインペアが豊富なことです。
独自性の強い取引所で、現物取引でありながら、トークン自体の価値が基礎となる通貨の価格の数倍となる「レバレッジトークン」という珍しい商品も取り扱っています。
ある程度の仮想通貨取引経験のある上級者に魅力的に映るような、他の取引所では見られない取引ができるのも大きな特徴です。
Binance Futures
Binance Futuresのメリットは、業界での圧倒的な知名度による流動性の高さと資金調達手数料が安い点です。
取引相手が豊富なため注文が約定しないというような心配が要りません。
資金調達手数料が他と比べて安いため、長期でポジションを保有するタイプのトレーダーには特にメリットが大きいといえます。
まとめ
DeribitとBitMexからの引っ越し先として、Bybit・FXGT・FTX・BinanceFuturesの4取引所を6つの観点から比較しました。
ご自分の取引スタイルや優先したい事柄に合わせて、最適な取引所を選ぶための参考にしていただければと思います。
ただ、実際に使ってみないとトレード画面の使い勝手などはわからないものです。
4つの取引所ともアカウント登録(口座開設)は無料でできますので、まずは気になった取引所にアカウント登録されてみてはいかがでしょうか。
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