国際情勢は金だけでなくビットコインも高騰させる?
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- 2019.08.15.
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ビットコインはデジタルゴールドだと称されることがありますが、デジタルゴールドとは何かご存じでしょうか。
これはビットコインが小さくしても単価そのものは変わらないこと、希少性や偽造できないこと、発掘に手間と費用が掛かること、劣化することがないなど、ビットコインの特性やシステムそのものが金と似ていることからもそう呼ばれています。
そして今、金が40年ぶりに高騰しています。
金がこれほど高騰したのは、第二次石油危機によって物価が高騰した1980年2月以降のことだそうです。
ではデジタルゴールドと呼ばれるビットコインの値動きは今後どうなっていくのでしょうか。
金と同様に高騰していくのでしょうか。
高騰している金の価格とその意味
金の価格が40年ぶりの高値になっています。
2019年8月8日の東京商品取引所における金の先物価格は1グラムあたり5,128円となりました。
年初は4,537円だったことを考えると、13%値上がりしたことになります。
また国債指標であるCOMEX金先物価格においても、1オンスあたり1,500ドルを突破しています。
株や債券などが一瞬で単なる紙切れになってしまう可能性があるのと比較して、金の価値が変わることはありません。
そのため、安定資産としてとらえられているのです。
その金の価格が高騰するということは、すなわち資産を金に変える人が多いということであり、経済に不安を感じている人が多いということになります。
その証拠に、前回の高値の際はインフレに悩まされていた時でした。
ビットコインが資産の逃避先として有効な理由
金が経済不安の際に逃避先として成立しやすいことは理解いただけたでしょう。
ではビットコインは金と同様に、資産の逃避先になりえるのでしょうか。
実はビットコインにはボラティリティの大きさという要素はあるものの、金よりも資産の逃避先として有効なのです。
逃避先として有効である、その特徴をご説明しましょう。
法定通貨と価値が連動しない
ビットコインの価格は、仮に法定通貨の価値が下がったとしても、それに連動することはありません。
例え米ドルやユーロなどが大きく価値を下げたとしても、関係ありません。
これは金も同様で、例え法定通貨の価値が下がっても、金の価格が連動することはありません。
保管や持ち運びが不要
ビットコインはどれだけ大量に保有していたとしても、小さなウォレットに保管することができます。
また仮想通貨取引所に保管しているのであれば、自分自身が持ち運びする必要はありません。
しかし金は大量に保有していていると保管は大変で、持ち運びも面倒です。
その点ではビットコインの方が優れているといえます。
どこへでも自由に送金できる
ビットコインなら自分自身がどこにいたとしても、例え銀行がなくても、どこにでも自由に送金することができます。
もちろん海外にでも送金することが可能です。
一方、金はもちろんそのままで送金することはできません。
法定通貨に換金して、しかも銀行を経由しなければ送金することは不可能です。
有事の際でも安全
万が一、自国に有事があった場合、銀行などは封鎖されてしまうでしょうが、ビットコインには全く関係ありません。
金も有事の際、銀行の閉鎖などに価値が影響を受けることはありませんが、法定通貨に換金しないと意味がなく、送金もできません。
また持ち運びの不便さが有事の際に不利といえます。
金の高騰理由を知れば仮想通貨FXに応用できる
ビットコインが金と同じように、もしくは金以上に資産の逃避先として有効であるとするなら、金を高騰させている理由を理解していけば、仮想通貨FXなどの投資に活用できるはずです。
金が高騰している理由を挙げてみましょう。
経済の減速を懸念
金が高騰する理由として最も大きなものが、経済の減速を懸念していることです。
その中でも最たるものが米中貿易戦争でしょう。
米国と中国という経済大国同士が貿易戦争を起こしていることで、その影響は世界中に広がっています。
しかもこの貿易戦争は終着点が未だ見えていません。
今後は、今よりももっと経済が減速するのではないかと考える人は多いはずです。
今後の経済の不透明さ
世界の経済が今後どうなっていくのか不安を抱える中で、特にヨーロッパにおいて気になるのは英国のEU離脱問題でしょう。
英国のEU離脱期限は2019年10月31日となっており、ボリス・ジョンソン新首相はなんとしても離脱すると宣言しています。
つまり「合意なきブレグジット」になってしまう恐れがあるわけです。
これがビットコインの記録的な高騰につながると予測している専門家もいます。
またブレグジットによって、ビットコインは2017年のおよそ20,000ドルを更新する可能性があると英Independent紙は報じています。
画像引用:Independent
このようなことは今まで誰も経験しておらず、政治的、経済的混乱を招くことは間違いないでしょう。
そしてこの混乱が、法定通貨がいかに脆弱であるかを露呈してしまうことにもなり、結果的にビットコインに資産逃避していくのではないかともいわれています。
金利の低水準化
前述した経済の減速と先行きの不透明さから、多くの国の中央銀行が金利を下げています。
例えば米国では2年債の金利を2.5%から1.5%にまで下げていますが、実はこの金利では米国のインフレ率を下回っています。
これはすなわち、国債における運用利回りはゼロと同じということです。
国際的緊張状態
米国と中国との貿易戦争に代表されるように、トランプ政権はやや強引な圧力をもって自国の利益を優先しようとしています。
これは中国に対してだけでなく、ヨーロッパの諸外国や韓国、そして日本に対しても同様です。
そして、それが受け入れられなければ即座に経済制裁を実施するなど、強引さが国際的な緊張状態を作り出しています。
また米国以外の原因として、香港の逃亡犯条例改正案に対するデモも大きな影響を与えていることは否めません。
軍事的環境の変化
トランプ政権の強引さは軍事的環境にも影響しています。
イランに対する原油禁輸措置は、ホルムズ海峡での軍事行動を引き起こす結果となっており、これがきっかけとなって中東情勢を不安定にし始めています。
またこれは原油の安定供給に対する不安感にもつながっています。
ビットコインへの資産逃避が高まる可能性
金の価格が高騰する理由を説明しましたが、どれを取ってみてもビットコインに資産を投資させる動機につながることばかりだということがご理解いただけるはずです。
米国の総合情報サービス会社であるBloombergが調べたデータによると、ビットコインの価格と金の価格について、その関係性が以前と比較して倍近くに高まっているようです。
つまりビットコインに資産逃避する可能性が高くなってきていると考えられるわけです。
まとめ
金の高値の原因は資産逃避であり、ビットコインの高騰にもつながるはずであることがご理解いただけたしょうか。
金が今後、今まで以上に値上がりするのかどうかは分かりませんが、値上がりの原因は少なくともビットコインにとってはポジティブな要素であるといえます。
もちろん、ビットコインの価格に確実に反映されるとは言い切れないばかりか、ビットコインのネガティブなニュースが飛び出してくる可能性もあります。
しかし国際情勢に対して敏感になっておくことは、仮想通貨FXにおいても役立つことはご理解いただけたのではないでしょうか。