ビットコインドミナンスの意味と重要性を知ろう
- ビットコイン
- 2019.06.24.
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現在の仮想通貨市場の中でビットコインがどういうトレンドにあるのかを判断するには、ビットコインドミナンスを正確に理解しておく必要があります。
トレンドを知るためには仮想通貨関連のニュースを観たり、チャートを調べることももちろん大切ではありますが、ドミナンスを知ることでビットコインが仮想通貨市場の中でどう見られているのか、トレンドを知ることができるのです。
案外見落とされがちなビットコインドミナンスについて、その意味だけでなく、ドミナンスが変化する様子についても解説しましょう。
仮想通貨取引をする際、今後はドミナンスにも注目しようときっと思われるはずです。
ドミナンスとは市場占有率のこと
ドミナンスとは市場占有率のことを指します。
例えば「ビットコインドミナンスが60%ある」とき、仮想通貨市場の総時価総額の60%をビットコインが占めていることを示しています。
計算式は、
「ドミナンス=BTCの時価総額/仮想通貨市場の総時価総額×100」
で算出されます。
イーサリアムやライトコインなど個別の通貨のドミナンスについても、上記の式で求めることができますが、一般的にドミナンスとはビットコインのドミナンスのことを指します。
ビットコインドミナンス=ビットコインの優位性
ビットコインドミナンスは仮想通貨市場において、アルトコインに対するビットコインの優位性を示しています。
なぜならビットコインのドミナンスが60%のとき、残りの40%はアルトコインのドミナンスを示しているからで、いわば、ビットコインvsアルトコインの勢力図を示しているともいえます。
ビットコインドミナンスの過去の動きを知れば、ビットコインとアルトコインの勢力の移り変わりも確認することもできるのです。
ビットコインドミナンスをチェックできるサイト
現在のビットコインドミナンスは、以下のサイトで確認できます。
この二つのサイトでのドミナンス表示についてご説明しましょう。
coinlibでのドミナンス表示
画像引用元:coinlib
coinlibでは、仮想通貨市場における時価総額トップ20の通貨のドミナンスを視覚的に確認できます。
上記の画像を見ると、
- 仮想通貨市場の半分以上をビットコインが占めていること
- 2番目にイーサリアム、3番目リップルのドミナンスが大きいこと
がお分かりいただけると思います。
「仮想通貨市場において任意のコインがどのくらいの規模感なのか」をざっくり知りたいときに使えるでしょう。
サイト上で画像の通貨表示部分にマウスオンすると、その通貨のパーセンテージが表示されますので、詳しい数値についても確認することができます。
CoinMarketCapでのドミナンス表示
画像引用:Global Charts -CoinMarketCap
CoinMarketCapでは過去のドミナンスデータを確認することができます。
上記の画像は、2013年頃から2019年6月現在までのドミナンスの推移を表していますが、2017年の中頃あたりから急激にドミナンスが減っていることがお分かりいただけると思います。
これ以外にも、イーサリアムやビットコインキャッシュ、ライトコインなどの主要9通貨のドミナンスの推移も表示することができます。
ドミナンス変動の要因
ビットコインドミナンスはビットコインが占める割合であり、アルトコインに対するビットコインの優位性を示していますが、ではこのビットコインドミナンスが増えたり減少したりするとき、つまりビットコインの割合が大きくなったり、小さくなったりした際、仮想通貨市場はどのような状況にあるのでしょうか。
ビットコインドミナンスが大きくなった時に判断できること
ビットコインドミナンスが大きくなった時にはビットコインの優位性が強まっている、つまりビットコインがトレンドとなっていることがわかります。
例えば、ビットコインドミナンスが40 %から50%になった場合、ビットコインの勢力が10%上がったことになります。
ただし、ビットコインドミナンスの増加には必ずしもポジティブな要因があるわけではありません。
なぜなら、市場がポジティブに動いているかどうかは、ビットコインドミナンスだけではわからないからです。
もし「市場の総時価総額」と「ビットコインの価格」の両方が上がっている状態で、ビットコインドミナンスが増加していれば、「ほぼ全てのコインの価格が上がる中でも、特にビットコインが買われる勢いが強い」と判断できます。
しかし「市場の総時価総額」と「ビットコインの価格」の両方が下がっている状態で、ビットコインドミナンスが高くなっていれば、「市場から大量の資金が流出していく中、相対的に信頼性が高いビットコインに資金が残った」と判断できるわけです。
このケースでは、どちらもビットコインの優位性は変わっていませんが、仮想通貨市場の方向性は大きく異なっていることが分かるでしょう。
具体的な実例を見てみましょう。
例1:ビットコインが購入される勢いが強いとき
2019年4月1日~6月17日にかけて、ビットコインドミナンスは増えています。
2019年4月1日 | 2019年6月17日 | 変動幅 | |
ビットコインドミナンス | 51% | 58% | 7% |
以下の表組みデータ抜粋:CoinMarketCap
このとき、ビットコインの価格は5,162ドル(約57万円)、市場の総時価総額は1,426億ドル(約15.7兆円)増えています。
2019年4月1日 | 2019年6月17日 | 変動幅 | |
1BTCの価格(米ドル) | 4,158 | 9,320 | 5,162 |
仮想通貨総時価総額(億米ドル) | 1,453 | 2,879 | 1,426 |
すなわちビットコインドミナンスが上がったのは、「市場全体に新規の資金が流入する中、特にビットコインが買われたから」と判断できるでしょう。
例2:信頼性が高いビットコインに資金が集中したとき
2018年5月4日から11月12日にかけて、ビットコインドミナンスは+21%増えていました。
2018年5月4日 | 2018年11月12日 | 変動幅 | |
ビットコインドミナンス | 36% | 58% | +21% |
しかし、同じ期間において、ビットコインは3,329ドル(約37万円)値下がりし、仮想通貨市場の時価総額も約2,435億ドル(約26.8兆円)減少しています。
2018年5月4日 | 2018年11月12日 | 変動幅 | |
1BTCの価格(米ドル) | 9,700 | 6,371 | -3,329 |
仮想通貨総時価総額(億米ドル) | 4,569 | 2,134 | -2,435 |
これらのことを見ると、ビットコインドミナンスが増えた要因は「市場から大量の資金が流出する中、相対的に信頼性が高いビットコインに資金が残った」と判断できるわけです。
ドミナンスが減少するとき
ビットコインドミナンスが小さくなるときには、アルトコインの優位性が高まったことを示しています。
例えば、ビットコインドミナンスが70%から60%に下がったなら、10%分は新たにアルトコインが増えているということです。
しかしこのケースではビットコインの価格は下がるのかというと、実は必ずしもそうではありません。
例えば、2017年2月20日~6月19日において、ドミナンスは47%小さくなりました。
2017年2月20日 | 2017年6月19日 | 変動幅 | |
ビットコインドミナンス | 86% | 40% | -47% |
しかし、1BTCの価格は1,510ドル(約17万円)、市場の総時価総額は374億ドル(約4.1兆円)上昇しています。
2017年2月20日 | 2017年6月19日 | 変動幅 | |
1BTCの価格(米ドル) | 1,080 | 2,590 | 1,510 |
仮想通貨総時価総額(億米ドル) | 198 | 572 | 374 |
この状況では、ドミナンスが小さくなった要因は「市場全体に新規の資金が流入する中、特にアルトコインが買われたこと」だと分かります。
かんたんに言えば、「今はアルトコインがトレンド」ということになります。
市場がネガティブな中ドミナンスが減少することはこれまでにない
仮想通貨市場から資金が流出して縮小している時、そのタイミングでビットコインドミナンスが減少しているということは、これまで確認されていません。
これはつまり、仮想通貨市場が縮小した時には、信頼性が高いビットコインに資金が集中する傾向があるといえるわけです。
今後もしそのような現象が起こった場合には、「アルトコインの信頼性の方がビットコインより高まっている」と判断するほかはないでしょう。
ビットコインドミナンスはトレンドを把握するための指標
市場の総時価総額とビットコインドミナンスを知れば、現在のドレンドがビットコインとアルトコインのどちらにあるかを知ることができることがおわかりいただけたはずです。
仮想通貨を取引されるほとんどの方が、ニュースやチャートだけを参考にされているようですが、これだけではビットコインの大きなトレンドを把握するには十分とはいえません。
トレンド把握のために、是非ビットコインドミナンスをチェックされることをお勧めします。