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日本のビットコイン取引高の変化とその背景

  • ビットコイン
  • 2019.05.29.

世界的に取引されるようになった仮想通貨「ビットコイン」は、もちろん日本でも認知度は高く、多くの人によって取引されています。

 

世界中で取引きされているビットコインのうち、日本で取引されているビットコインはどの程度の割合なのでしょうか。

また、日本で仮想通貨が注目を浴びるようになってから、現在までの間で、取引高に変化はあるのでしょうか。

 

日本におけるビットコインの取引高の変化とその理由について考察してみました。

 

ビットコイン取引の法定通貨取引高について

ビットコイン取引の法定通貨の割合を調べてみると、2018年3月時点で、ビットコイン取引の法定通貨は日本円がトップとなっています。

2018年3月ビットコイン取引通貨比率

出典元:CryptoCompare

 

この表は2018年3月時点における、ビットコイン取引法定通貨の割合を示しています。

日本円のシェアは全体の52.17%で、ビットコイン取引の半分は日本円建てだったことか分かります。

どれほど多くの日本人がビットコインに投資していたかがわかるでしょう。

 

そして以下の表は、2018年8月20日時点のビットコイン取引法定通貨の割合を示しています。

2018年8月20日ビットコイン取引比率

出典元:FINTECH FUTURES

 

この表を見ると、日本は44位と大きく下落し、日本円建てでのビットコイン取引割合は0.1%程度になっています。

 

そして次に2018年12月には、日本円建てでのビットコイン取引割合が再びトップになったものの、2019年5月現在は2.52%と、再び激減しています。

2018年12月に日本がビットコイン取引高1位

出典元:CryptoCompare

 

2019年5月現在のビットコイン取引比率

出典元:CryptoCompare

 

日本円建てのビットコイン取引割合変化の意味

 

世界的に見ると、2018年1月に起こったビットコインの大暴落は、中国がビットコインなどの仮想通貨を取り締まる動きを加速させたことが大きな原因と考えられています。

それによって、中国元の取引量が大きく減り、JPYの取引量が1位を獲得したものと考えられています。

 

しかし、このとき日本でも、仮想通貨業界の信頼を揺るがす大きな事件が起こっていました。

「コインチェック事件」です。

2018年1月26日、コインチェックのアドレスから外部へのNEM不正送金が明らかになりました。

流出額は数十億円にものぼり、しかもユーザーの資産でした。

コインチェック側がオンラインで通貨を管理していたことが明らかになり、金融庁による立ち入り検査・業務改善命令がなされたことは、記憶に新しいところです。

 

この報道が少なからず影響したのか、値動きを見ても、2018年1月21日の終値が1,252,450円だったのに対し、1月28日では997,080円にまで価格が下落しています。

その後は12月に一時上昇しますが、その後は低調のまま推移しています。

 

言うまでもなく、ビットコインは世界中で取引されている仮想通貨です。

しかしその価格変動を観察する限り、世界情勢の影響や国内の仮想通貨取引所が起こした不祥事により、日本人が次第にビットコインから離れていったものと推察されます。

 

日本は仮想通貨先進国と言われているが…

このように、日本ではビットコインの取引は恒常的に活発とはいえないものの、日本を仮想通貨先進国だと評価する意見もあります。

というのも、ビットコインの概念を生み出したのは「サトシ・ナカモト」という日本人だと言われているからです。

 

現代でも本人が表に出ていないため、今なお日本人が「仮想通貨の生みの親」というイメージを持っている人もいます。

しかし、実はアメリカ人である、もしくは組織であるという噂もあり、本当のところは分かっていません。

 

また前述したように、日本円建ての取引高がおよそ50%近くを占めていた時期もあったため、日本を仮想通貨先進国と捉える意見も多く見られます。

 

海外の仮想通貨関連の調査企業であるコインファーム社も、日本で仮想通貨取引を行う際のリスクは低いと評しており、今後日本国内でも取引が活発になることは十分考えられます。

 

ビットコイン購入比率が高まる諸外国の事情

 ビットコイン取引高の上位ランキングに、金融大国であるアメリカ・イギリスが表示されるのは想像できます。

また、現在でこそ大きく規制されたものの、国家で仮想通貨事業を推し進めてきた中国も、ランクインするのは分かりやすい結果と言えます。

 

しかし、ロシア・ベネズエラは、一見すると仮想通貨市場と直接の関係はなさそうな国家に思えます。

 

なぜ、これらの国が仮想通貨に熱い視線を注いでいるのでしょうか。

その理由は、どちらの国も「政治的・経済的なリスク」を内包しているからです。

 

ロシアの法定通貨はルーブルです。

これは、ロシアがかつてソビエト連邦だったころから変わっていない通貨です。

 

数ある法定通貨の中で幾度も不安定な状況に置かれた通貨の一つであり、そもそも紙幣はルーブル・硬貨はカペイカという単位で構成されていました。

ロシア崩壊後にはルーブルに統一され、現在ではカペイカという単位は用いられなくなりました。

 

アジア通貨危機の影響から通貨価値が低下した際には、1/1000のデノミネーションが実施されています。

こういった事情から、国民もルーブルの切り下げをリスク要因として捉えており、そのリスクヘッジのためにビットコインが購入されています。

 

ベネズエラの取引量が増えた理由はロシア以上に深刻で、物価が前期比250万%を上回るという高騰を記録しました。

いわゆるハイパーインフレの状態で、自国通貨(ボリバル・ソベラノ)が紙きれ同然の状況になっています。

 

政府側の失策によって引き起こされた経済危機に対応すべく、国民側は物々交換を行っていました。

しかし、やはりそれは不便なことであり、ベネズエラの人々は世界的に流通したビットコインを利用する流れへと移行しています。

その結果、ベネズエラの取引量が世界4位となっているものと推察されます。

 

日本の現金に対する依存度の高さ

ロシアのルーブル、ベネズエラのボリバル・ソベラノについて、日本円の信用度と一概に比較することはできませんが、日本円は世界において高い信頼を得ている通貨です。

 

これは日本人にとって誇らしいことでもありますが、仮想通貨市場にとっては悩ましいことでもあります。

つまり、世界で十分に高い信頼を得ている日本円を、わざわざ価値変動が大きく、流出リスクの高いビットコインに交換することが、メリットと理解しにくいといえるでしょう。

 

仮想通貨と信用度の面で比較される信用決済の一つとして、クレジットカード決済があります。

海外では身分証明書代わりに用いられることもありますが、日本人はクレジットカードを日常的な決済に利用しないケースがいまだに多いようです。

 

売り上げ決済方法比率

出典元:野村総研「キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識」

 

これによると、日本国内では圧倒的に現金決済が優位な状況であり、仮想通貨に至っては内訳の中に明記されていない状況です。

キャッシュレス決済として身近に思われるカード決済も、全体の22%に過ぎないという結果が出ています。

 

諸外国のキャッシュレス比率の変化

出典元:野村総研「キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識」

 

世界を見渡してみると、クレジットカードのようなキャッシュレス決済は、日本以外では利用率が高い傾向にあります。

その点、日本が未だ現金への依存度が大きいことは否めません。

 

仮想通貨投資に感じる不安理由

出典元:GMOコイン

 

GMOコインが行ったアンケートによると、仮想通貨の投資に不安やハードルを感じる点として、相場変動の激しさや取引所のセキュリティなど、主に通貨価値やセキュリティ・取引所側の姿勢を不安視している意見が多いことが分かります。

日本人が仮想通貨から距離を置く原因には、やはりその不安定な面が障害になっていると考えられます。

 

おわりに

信頼性が高い日本円を通貨としているため、クレジットカードを使用する比率の高くない日本では、相場変動が大きく、流出の危険性のある仮想通貨に対するイメージは決して良いとはいえません。

しかし大手企業による仮想通貨決済や仮想通貨チャージなどができるようになれば、通貨として成立する仮想通貨のイメージが定着していくことも十分に考えられます。

 

そうなれば仮想通貨のイメージも回復し、投資対象として考える人も増えてくるはずです。

今までよりも信頼性の高い取引所の登場や、大手企業による仮想通貨事業への本格的参入次第で、仮想通貨に対するイメージは激変していくでしょう。

仮想通貨取引を考えるのであれば、このような動きを見逃さないことが重要なのではないでしょうか。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

リスク警告

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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