お問い合わせ

仮想通貨は今後どのような層の人々に受け入れられるのか?

  • 考察
  • 2019.04.20.

仮想通貨取引は世界的規模で行われています。

24時間365日システムは稼働していますから、活発な取引は今後も続くと思われます。

仮想通貨に関するテクノロジーや情報も日々アップデートされており、国家もその規制や奨励に動いています。

 

しかし、仮想通貨取引を実際に行っている人について考えてみると、意外と情報が少ないものです。

仮想通貨を保有目的ではなくトレード目的でやり取りしている層が目立つため、どうしても情報が偏りがちです。

 

本来なら仮想通貨も通貨の一種であるため、決済手段として広く利用されるべきです。

日本でも、ビックカメラのようにビットコイン決済を導入するお店が増えてきています。

通販サイトなどでも多様な支払い方法に対応するようになってきたことから、今後は通貨として広く市場に流通することが予想されます。

つまり仮想通貨を決済手段として利用している層は一定数存在しており、保有しているだけという人も少なからず存在しているはずです。

 

そこで今回は、仮想通貨は現在どのような人に受け入れられていて、今後はどのような層の人々に受け入れられるのかを考察していきます。

 

リーマンショックを経験したアメリカは、仮想通貨に積極的な層が少なくない

アメリカのタブロイド紙New York Postによると、アメリカでは24~35歳という比較的若い世代のうち、およそ25%が仮想通貨を保有しているという調査結果が出ています。

またハーバード大学の調査では、仮想通貨を保有していない人の3割が、仮想通貨でトレードすること(短期投資)に興味を持っていることも分かっています。

 

アメリカでは大学に進学する人が多いものの、その多額な学生向けローンの返済に苦慮するケースが多く、銀行のシステムが時代遅れだと感じているという声も少なくありません。

特にリーマンショックを起こしたアメリカの金融業界に対しては厳しい視線が向けられており、若年層からの信頼もまた低いものにとどまっています。

 

ビットコインの暴落こそ経験したものの、仮想通貨のボラティリティは依然として高く、取引する側のスキル次第では短期間で大きな利益を得ることも可能です。

仮想通貨は、アメリカの銀行が抱える閉塞的な現状を打破することができるのではないでしょうか。

 

銀行のサービスに不満がある国で期待される仮想通貨

各国における銀行のサービスは、その国によってレベルの差があります。

使い勝手が悪ければ、その分消費者は別のサービスへと移行を開始します。

その一つとして仮想通貨は期待されているようです。

 

仮想通貨について、ユニークな使い方をしている国の一つがフィリピンです。

フィリピンでは、銀行を利用する人というより、口座を開設する人そのものが少数派であるという、日本では考えられないような現状があります。

 

フィリピン統計局の人口予測によると、2017年時点でフィリピン国内には2,400万世帯が存在しているとのことです。

しかし、フィリピン中央銀行の調査によると、2014年時点で銀行預金を持っているのは14%の世帯だけとなっています。

 

If the average balance in your deposit account is only Php5,000 or less, you’re actually in good company. Almost half of the country’s households with bank accounts have only that much in deposits, according to the Bangko Sentral ng Pilipinas (BSP)’s latest Consumer Finance Survey released in January.

 

That’s equivalent to 1.6 million households today. The country has a total of 24 million households as of 2017, based on population projections of the Philippine Statistics Authority. But only 14 percent of these maintain a bank deposit, according to the BSP survey which was done in 2014.

※出典元:Entrepreneur(https://www.entrepreneur.com.ph/news-and-events/how-much-is-the-typical-filipino-depositor-s-bank-balance-a36-20170529?ref=archive_feed)

 

なぜ、フィリピンでは銀行サービスを使おうとしないのでしょうか。

その理由は、銀行口座開設にお金がかかるからです。

 

日本では、最近でこそ口座は作りにくくなっていますが、基本的に住所や本人確認がしっかりでき、少額のお金を入金すれば問題なく作ることができます。

しかしフィリピンでは最低預金額が定められており、その金額を下回ってしまうと手数料が引き落とされます。

これは口座維持費とも呼ばれ、まるでマイナス金利のような不便を利用者にもたらします。

 

またフィリピン全世帯の14%しか銀行口座を所有していないということは、残り86%は銀行口座を持っていないことを意味します。

この86%の人々は農業や現場労働に従事している非正規雇用者、もしくは無職が大半です。

 

さらに、銀行口座を持たない理由には、お国柄も少なからず関係しているようです。

フィリピンの人はあまり貯金に対して思い入れがありません。

日本における江戸時代の「宵越しの金は持たない」精神に似ていて、臨時収入が入ると何かと理由をつけて使い切ってしまいます。

将来の不安に備えてお金を貯めるよりも、今苦しんでいる家族や仲間のために使う精神性を持っているため、貯金という概念がイメージできないのかもしれません。

 

フィリピン独特の仮想通貨利用法と普及の背景

フィリピンの銀行口座を持たない人たちにとって問題なのが、外国で働いた際の仕送りです。

日本人なら送金は銀行口座を介して行いますが、口座を持たない外国で働くフィリピン人はどうやって仕送りをしているのでしょうか。

 

そこで重宝するのがビットコインです。

フィリピンでは海外送金の手段としてビットコインが広く普及しています。

つまり、銀行を介さずに送金できる仕組みがフィリピンでは運用されているのです。

口座を開設していないフィリピン人は、「質屋」を利用して送金や受け取りを行っています。

 

※引用元:Philippine primer

 

フィリピン国内に質屋は数多くあり、その数は16,000店を超えるといわれています。

質屋ではもちろん、品物を質入れしてお金を貸し付けるなどの日本の質屋と変わらない仕事もしていますが、大きく異なるのが、海外との送金や受け取りです。

銀行に比べて手数料が圧倒的に安いため、多くの国民が利用しています。

 

具体的な送金手順としては、以下のような流れです。

まず、送金者は以下の情報を記載して、お金を質屋に預けます。

 

  • 送金者の住所と氏名
  • 送金額
  • 受取人の詳細情報
  • 受け取り先となる質屋の情報

 

質屋は何と言っても16,000店ありますから、ほとんどの受取人の近所に質屋はあるわけです。

 

受取人は、受け取り先として指定された質屋に、自らのIDカードを持って行きます。

すると、質屋からお金を受け取れるという仕組みです。

 

このようにフィリピン国内では、既に銀行を使わないお金のやり取りが一般化しています。

今後、世界各国で同様の流れが生まれた場合、銀行の役割がどう変わるのか注目されます。

 

日本における今後の動きはどうなるか

フィリピンと違い、国民の大半が口座を持っている日本では、今後仮想通貨を巡る動きにどのような変化が生じるのでしょうか。

 

確実に言えることは、規制が厳しくなっていくため、新たな仮想通貨交換業者は参入しづらくなり、新たに仮想通貨取引をしたい人にとっては取り組みやすくなるということです。

つまり国が業者の参入要件を厳しくすることで、安心して仮想通貨の取引ができるような仕組みづくりにも拍車がかかり、仮想通貨の取引も活発になることが予想されます。

 

ただ日本は経済的な落ち込みがあるものの、世界的に見ると高所得の国の一つであることに変わりはなく、フィリピン同様のケースで利用される可能性は低いでしょう。

 

日本政府は仮想通貨取引に対しては比較的寛容な姿勢を見せてはいますが、税金面では仮想通貨に対して優遇しているわけではありません。

むしろ仮想通貨で得た利益を雑所得扱いしている現状は、競馬で稼いだお金と同義ともいえるわけです。

今後、仮想通貨に対する認識を国がどこまで深められるか、いかに正しい形で仮想通貨を評価できるかが、日本の未来を形作ることでしょう。

 

おわりに

今後、仮想通貨が発展していくことで、既存の銀行システムに利便性を感じない人たちや、銀行を利用して貯蓄するほど金銭的に余裕がない人たちが、ユーザーの中心的存在になることも十分考えられます。

クラウドファンディングでも仮想通貨が利用できるケースが増えてきたことから、融資・資金調達における銀行の重要性も相対的に低くなっていくかもしれません。

 

フィリピンのように「低所得だから銀行を利用する必要がない」という考えは、今後の日本でも仮想通貨や通貨の在り方を変えてしまう可能性があるのではないでしょうか。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

リスク警告

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

Copyright ©   BitcoinFXpro All Rights Reserved.