ビットコイン価格は回復傾向ではあるが調整リスクもあるとの説
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- 2025.10.26.
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画像引用:tradingview.com BTCJPY1ケ月
ビットコインは2025年10月初め、2,000万円も目前というところを推移していましたが、10月10日になって大きく下落し始め、10月17日には1,560万円台にまで下落してしまいました。
その後は緩やかに回復してきており、本記事執筆時点では1,710万円台にまで回復してきています。
このような値動きをしてきたビットコインは、今後どう動くのでしょうか。
大きく回復するのでしょうか。
それとも10月17日に記録した1,560万円も維持できずにもっと下落してしまうのでしょうか。
実は仮想通貨アナリストの間でも、今後の値動きについて大きく上昇すると主張している人物が、大きな下落の可能性についても主張しているという不思議な現象が見られます。
またビットコインを100~1,000BTC保有しているドルフィンと呼ばれる投資家層の動きが今後に大きく左右するとの説もあります。
加えて、今後数週間の動向が重要であるとの指摘も存在しており、それだけ先行きが不透明であることを示しているのかもしれません。
そこで今後の取引の参考になるよう、これらの説を紹介しましょう。
ビットコイン強気の主張
ビットコイン価格が上昇すると主張している人物とその内容をご紹介しましょう。
ビットコインは年末までに20万ドルになるとの説
BitMine Immersion Technologies(ビットマインイマージョンテクノロジーズ)のTom Lee(トム・リー)会長は、2025年9月のテレビインタビューで、ビットコインは今年中に20万ドルへ達すると考えていることを説明していました。
インタビュー内でトム・リー会長はその根拠についても説明しており、仮想通貨が金融政策の変化に敏感であることから、インタビュー後にあたる9月17日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げ決定されれば、それがビットコイン価格の上昇につながる可能性があるとしていました。
そして9月17日のFOMCでは、9ヶ月ぶりに政策金利を0.25%ポイント引き下げることを決定しています。
また、トム・リー会長は仮想通貨の傾向として、Q4に強いパフォーマンスを示すことを指摘しており、利下げと重なれば20万ドルに達するだろうと予測していました。
ビットコインに冬は戻らず100万ドルに達するとの説

画像引用:Bloomberg
会社の主要な準備資産としてビットコインを大量に購入し続けているStrategy(ストラテジー)の創業者であり、会長でもあるMichael Saylor(マイケル・セイラー)氏が、2025年6月11日のBloombergによるインタビュー内で、ビットコインに冬は戻ってこないと主張し、ビットコインがゼロに向かわないのなら、100万ドルに向かうしかないと語っていました。
その根拠として指摘していたのが、ビットコインマイナーが1日に売却することができるビットコイン量です。
マイケル・セイラー氏によると、現在1日で売却可能なのはおよそ450BTCであり、6月時点の時価に換算するとおよそ5,000万ドルが1日で購入されればビットコイン価格は上昇すると述べていました。
強気派の二人も下落について言及
しかし上で紹介したビットマインのトム・リー会長とストラテジーのマイケル・セイラー氏の強気派二人も、ビットコイン価格の下落は視野に入れているようです。
二人のビットコイン価格下落に関する発言を紹介しましょう。
トム・リー会長は価値の半分を失う可能性もあると説明

画像引用:YouTube Anthony Pompliano
ビットマインのトム・リー会長は、2025年10月23日に公開された仮想通貨の起業家であり、投資家でもあるAnthony Pompliano(アンソニー・ポンプリアーノ)氏のPodcastに出演し、ビットコインはボラティリティの高さゆえに価値の半分を失う可能性があることを説明しました。
現在のビットコインはビットコイン現物ETFの登場や機関投資家が仮想通貨市場に参入していることもあり、ボラティリティは低下するだろうという意見もありますが、トム・リー会長の見方は少し異なっているようです。
トム・リー会長によると、ビットコインは未だに株式市場との相関性が高いだけでなく、その動きを拡大させる傾向があると主張。
そして株式市場では25%下落するのは珍しいことではなく、過去6年の間でも何度もあったことだと説明しています。
そして仮にS&P500が20%下落すれば、ビットコインは40%下落するだろうとも説明しています。
マイケル・セイラー氏も20万ドルの調整は現実的だとの考え
マイケル・セイラー氏は強気発言をした6月当時、マイナーが1日で売却可能なのはおよそ450BTCで、6月時点の時価ではおよそ5,000万ドルと説明していましたが、これはすなわち5000万ドルで仮想通貨市場を一回転させることができるという意味です。
そしてこの逆の場合を考えてみると、ビットコイン価格が1BTCあたり50万ドル、もしくは100万ドルに到達した時、20万ドルの調整があるのは非常に現実的なことだと説明していました。
ビットコインの中規模保有層の蓄積が価格に影響との分析
ビットコイン保有層の中でも、100~1,000BTCを保有しているアドレスであるドルフィンと呼ばれる中規模保有者の今後の動きがビットコインの価格に大きく作用するとの報告が2025年10月23日、オンチェーンデータ分析企業であるCryptoQuantから週間レポートとして発表されました。

画像引用:CryptoQuant
この週間レポートによると、100~1,000BTCを保有しているドルフィンと呼ばれる中規模保有者層は、ビットコイン保有者層の中でも最も大きなシェアを占めており、ビットコイン供給量の26%にあたるおよそ516万BTCを保有していると記述されています。
そしてドルフィンの次が10~100BTCを保有しているフィッシュで22%、その次が1,000~10,000BTCを保有しているクジラで21%となっています。
そして2025年にはドルフィン層がビットコインを68万1,000BTC以上増加させているものの、他の層ではビットコイン保有量が減少していることも明らかになっています。
CryptoQuantによると、ドルフィン層によるビットコイン保有量の増加は価格上昇と一致しており、この層のビットコイン保有量が減速するとビットコイン価格も調整に突入することが多いとのことです。
またCryptoQuantのレポートでは、ビットコインが12万6,000ドルを超えて上昇するためには、このドルフィン層による新たな買い増しが必要であるが、現在のビットコインは短期的な調整局面にあり、「今後数週間が今後のビットコイン価格の上昇にとって重要な時期」であることも説明しています。
まとめ
ビットコイン価格が上昇すると予想してはいるものの、その一方で大幅な調整に入る可能性を指摘している、これまでの上昇一本やりの予想とは違う主張を紹介するとともに、ドルフィンと呼ばれるビットコイン保有層の動きがビットコイン価格に大きな影響を与え、今後数週間の動きが非常に重要であることもご紹介しました。
今後数週間のビットコインの動きに注目するとともに、これらの情報を少しでも仮想通貨FXの取引に役立ててください。
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