ビットコイン現物ETFへの危惧とビットコイン価格への影響
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- 2025.07.27.
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- ビットコイン現物ETFへの危惧とビットコイン価格への影響
米国SEC(米国証券取引委員会)によって2024年1月11日に承認されたビットコイン現物ETF(上場投資信託)は多くの投資家などの支持を受け、ビットコイン価格に大きな影響を及ぼす存在になっています。
しかしビットコイン現物ETFは実際にビットコインを購入するわけではなく、あくまでも投資信託です。
実際にビットコインを購入した場合との違いを理解しておくべきであり、やや危惧するような内容の著名人の投稿が今、話題になっています。
またビットコイン現物ETFの登場によって、ビットコインにあったボラティリティが抑えられているとの指摘も注目されています。
仮想通貨FXはボラティリティの大きさが魅力だった側面もあったはずです。
このニュースは、仮想通貨FXを取引する人にとっては気になる内容ではないでしょうか。
これら、ビットコイン現物ETFに関するニュースをご紹介しましょう。
ビットコインの現物購入とETFの違いを指摘
投資家であり起業家、そして金融教育推進者としての顔だけでなく、「金持ち父さん貧乏父さん」の著者としても知られるRobert Kiyosaki(ロバート・キヨサキ)氏が、2025年7月25日、Xにビットコインの現物取引と現物ETFの違いを指摘する投稿をしました。
画像引用:Robert Kiyosaki X
紙の資産にはご注意を
ETFは一般投資家にとって投資を容易にしてくれることは承知しています。ですから、一般投資家にはETFを推奨します。しかし、注意点もいくつかあります。
一般投資家には、以下のETFを推奨します。
金ETF
銀ETF
ビットコインETF
しかし、ETFは、護身用の銃の写真を持っているようなものです。
時には、実物の金、銀、ビットコイン、そして銃を保有することが最善です。
実物を保有することが最善の場合と、紙の資産を保有することが最善の場合の違いを理解しましょう。
その違いを理解し、それをどのように活用すれば、あなたは一般投資家よりも優れた投資ができるでしょう。
お気をつけて。
引用:Robert Kiyosaki X Google翻訳
Xに投稿された内容を読むとロバート・キヨサキ氏は、一般の投資家はETFの方が投資しやすいと勧めています。
ただETFはあくまでも現物を保有しているわけではないので、時には現物を保有する方が良いケースもあり、両者の違いを理解して使い分けることができればより優れた投資ができると述べています。
この投稿だけでは、ロバート・キヨサキ氏が現物の保有とETFの購入がどう違のか、何も説明されていないため、詳しいことは分かりません。
一般論として考えると、ビットコイン現物を保有した場合には、購入者本人がウォレットの秘密鍵を管理しなければならないことが挙げられます。
一方のビットコイン現物ETFの場合には、このような手間は不要ですが、ETFを発行している企業のトラブルやその企業が破綻するリスクも考えられます。
もしくはETF発行企業が、実際にはビットコインを保有していないにもかかわらず、紙の債権だけを発行している危険性について言及している可能性もあるでしょう。
実際にロバート・キヨサキ氏が何を指して「お気をつけて」と述べているかは不明ですが、このような考え方もできるということを理解しておいた方が良いのかもしれません。
ビットコイン現物ETFがビットコインのボラティリティを抑えている
ビットコインなどの仮想通貨はボラティリティの大きさが特徴であり、それが仮想通貨FXなどでは大きな利益につながるだけでなく、大きな損失につながるケースもありました。
しかし2024年1月にビットコイン現物ETFが承認されたことにより、特徴的だったボラティリティの大きさが影を潜め、安定した上昇になっていくだろうとBlockware(ブロックウェア)のアナリストであるMitchell Askew(ミッチェル・アスキュー)氏が指摘しています。
画像引用:Mitchell Askew X
ETF導入前と導入後で、BTC/USDは全く異なる資産のように見える
放物線状の強気相場と壊滅的な弱気相場の時代は終わった
BTCは今後10年間で「上昇」と「安定」の間の一貫した変動を通じて100万ドルに達するだろう
その過程で誰もが退屈し、観光客はポジションから引き揚げるだろう
しっかり準備しておこう
引用:Mitchell Askew X Google翻訳
ミッチェル・アスキュー氏は、今後の10年でビットコインは大きく下落することもなく、安定的に上昇し続け100万ドルに達するとも主張しています。
Bloombergのアナリストもボラティリティの低下について言及
ビットコインのボラティリティ低下に言及しているのはミッチェル・アスキュー氏だけではありません。
Bloomberg(ブルームバーグ)のETFアナリストであるEric Balchunas(エリック・バルチュナス)氏もボラティリティの低下を指摘しており、このことが大口投資家を引き寄せるだけでなく、ビットコインが通貨として採用される可能性も高まると述べています。
しかしボラティリティの低下は、突発的に価格が急騰することもなくなるだろうとも指摘しています。
まとめ
上で紹介したように、仮想通貨のなかでも特にビットコインはETFの影響でボラティリティが低下するという見方が強いようです。
もちろんボラティリティが低下するとの説が正しいともいい切れず、仮にボラティリティが低下したといっても、実際のビットコイン価格は上がり下がりを繰り返しています。
直近でいえば、2025年7月25日には1,697万円台に下落したかと思えば、翌26日には57万円上昇して1,745万円になっていました。
すなわちボラティリティが低下したといっても、やはり値動きは大きいようですが、大きな傾向としては緩やかに上昇していくのかもしれません。
仮想通貨FXの取引に際して、細心の注意が必要であることには変わりありませんが、緩やかに上昇していく可能性が高いということを予想できるだけでも参考になるのではないでしょうか。