2023年の景気後退と仮想通貨高騰説に基づく投資家のビットコイン保有
- 仮想通貨関連
- 2022.10.13.
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- 2023年の景気後退と仮想通貨高騰説に基づく投資家のビットコイン保有
現在のビットコイン価格はピークだった頃の716万円台から大きく下落し、2022年10月12日時点では280万円台を推移しています。
以前のビットコインはデジタルゴールドと呼ばれ、株式市場などとは正反対の値動きをしていましたが、現在はNYダウなどと同じ動きを示すようになっています。
つまりNYダウが下落すれば、ビットコイン価格も同調して下落しています。
米ではインフレ抑制のため、FRB(米国連邦準備制度理事会)が政策金利を引き上げていますが、もしインフレが激しくなってNYダウに現れてくれば、ビットコインなどの仮想通貨価格はどうなるのでしょうか。
このことに関して、米の投資家や伝説的なトレーダーが、ビットコインの価格上昇の可能性を指摘する意見を述べています。
その意見とはどのようなもので、株式市場が低迷するのにどうしてビットコイン価格が上昇する可能性があるといえるのでしょうか。
このニュースについて詳しくご説明しましょう。
Stanley Druckenmiller氏の説
120億ドル規模のヘッジファンドDuquesne Capitalの創業者であり、億万長者の投資家としても著名なStanley Druckenmiller(スタンリー・ドラッケンミラー)氏が、FRBの金融政策に対する懸念に加え、仮想通貨市場における上昇の可能性について述べていることを2022年9月28日付のBloombargが報じています。
画像引用:Bloombarg
「ドラッケンミラーは、来年不況がなければ『唖然とする』と言います(Google翻訳)」と題されたBloombargの報道によると、スタンリー・ドラッケンミラー氏はCNBC主催のミーティングの席上、2023年に米の経済が後退することは当然で、もしそうならなければ驚いてしまうと述べたとされています。
また、この景気後退は予想しているよりも深刻な状態になるかもしれないとも説明していました。
加えて、景気後退による不信感が中央銀行に向かったとするならば、中央銀行を介することのない仮想通貨市場が恩恵を受けるのではないかとも述べています。
すなわちスタンリー・ドラッケンミラー氏は、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めによる景気後退は当然であり、それによってビットコインなどの仮想通貨価格が上昇するだろうと主張しているわけです。
今もビットコインを保有しているPaul Tudor Jones氏の説
伝説的なヘッジファンドマネージャーとして知られるPaul Tudor Jones(ポール・チューダー・ジョーンズ)氏が2022年10月10日のCNBC「Squawk Box」のインタビュー内で、現在でもポートフォリオの一部でビットコインを保有し続けていると発言したことが大きな注目を集めています。
画像引用:CNBC
ポール・チューダー・ジョーンズ氏は、1987年に米国株式が暴落したブラックマンデーだけでなく、1990年の日本の株式バブル崩壊も予測し、非常に大きなリターンを得たことから、伝説的なトレーダーとして多くの投資家に知られています。
CNBCの「伝説的な投資家、ポール・チューダー・ジョーンズ氏によると、景気後退戦略を展開する準備が整っている(Google翻訳)」と題された動画では、ポール・チューダー・ジョーンズ氏が、米の今後の景気後退やFRBの金融政策について、さらに仮想通貨についても言及していました。
米の今後の景気後退やFRBの金融政策に関して
ポール・チューダー・ジョーンズ氏は米の経済について、景気の後退はすぐそこまで迫っているか、もしかすると既に始まっている可能性もあると指摘。
そしてもし景気後退が始まれば、FRBが今おこなっている施策である利上げは景気をより後退させるため、利上げを中止するしかなくなること。
その時には、仮想通貨を含めたインフレ取引が激しくなると述べています。
今後の仮想通貨に関して
米で景気後退が進めば、仮想通貨は今以上に価値を持つようになると説明しています。
それは財政支出が増え、国内に現金が増えすぎてしまうと景気はインフレに傾くが、その一方で、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨は供給量があらかじめ定められている限りある資産であり、そのことによって今以上の価値を持つことになるだろうと述べています。
現在もビットコインを保有
ポール・チューダー・ジョーンズ氏はこのインタビュー内で、強気相場を迎える前の2020年に購入したビットコインを、現在も保有し続けていることを説明しています。
彼は今からおよそ2年半前の2020年5月11日、CNBCのインタビューで、自分自身のポートフォリオとしてビットコインを保有していることを明かしていました。
画像引用:CNBC
当時のインタビューでは、ポール・チューダー・ジョーンズ氏のビットコイン保有率は資産の2%であると説明していましたが、彼の2020年時点の資産額は51億ドルだとされています。
もしこの資産額が正しいとすれば、1億ドル(日本円で100億円)をビットコインに投資している計算になります。
そしてビットコインについては、「歴史的に、新たな価値の保存を目撃することになるかもしれない」と述べ、ビットコインの位置付けとして70年代のGOLDに相当するとも話していました。
さらにこのインタビュー時点でも新型コロナに対するFRBの金融政策がインフレを伴うことを指摘しており、そのヘッジのための逃避先としてビットコインに注目している旨も説明していました。
まとめ
億万長者である投資家のスタンリー・ドラッケンミラー氏の主張に加え、伝説的なトレーダーであるポール・チューダー・ジョーンズ氏の主張をご紹介しました。
この2人に共通しているのは、現在FRBがおこなっている金融政策は景気後退につながること。
そしてそうなった時には、ビットコインなどの仮想通貨が価値を持つという点です。
これは、株式市場が低迷すると仮想通貨価格が上昇するということになり、現在のビットコイン価格が株式市場と同じ動き、つまりNYダウなどが下がればビットコイン価格も下落するのと全く逆の動きとなります。
2人の説通りになるかどうかは分かりませんが、景気の後退は以前から指摘されており、今後の景気動向は誰もが気になるところでしょう。
そして景気後退が激しくなった時、唯一の逃避先がビットコインなどの仮想通貨であるのなら、仮想通貨の存在価値は今以上に高まるはずです。
今後の景気動向に注目しましょう。