供給不足でもビットコインを買い集める機関投資家
- ビットコイン
- 2021.03.05.
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- 供給不足でもビットコインを買い集める機関投資家
2020年の年末に180万円台だったビットコインは、2021年2月には610万円台にまで上昇しました。
その後は450万円台にまで下落しましたが、2021年3月4日時点では520万円台を推移しており、変動はあるものの上昇傾向にあるようにみえます。
このような値動きをしているビットコインが実は供給不足の状態にあり、その期間も長く続いていることが明らかになりました。
この供給不足は機関投資家がビットコインを買い集めていることが主な原因であり、それでもまだ買い集め続けていることが指摘されています。
供給不足とはどの程度のもので、機関投資家は一体どの価格帯でビットコインを買い集めているのでしょうか。
これらを知れば、機関投資家が今後のビットコイン価格についてどう考えているのかを知る手掛かりになり、仮想通貨FXの参考にできるかもしれません。
これらの情報についてご説明しましょう。
価格上昇に伴ってビットコインは供給不足に
仮想通貨データ分析企業であるGlassnode(グラスノード)が週に一度発表しているレポート「The Week On-Chain」の2021年3月2日版によると、ビットコインは長い間供給不足に陥っていることが明らかになりました。
画像引用:Glassnode The Week On-Chain
このグラフをみると、供給不足が激しくなり始めたのは2020年3月12日からで、短期的にバランスが供給側に寄ったタイミングもありましたが、ほとんどの期間、供給がマイナスに偏っていることが分かります。
つまりこの1年間、ほとんどの期間でビットコインが供給不足にあるということです。
グラスノードによると、これほど大きな供給不足が長く続いたことはなく、この状態が続くと更なる大規模なビットコイン供給不足が起こる可能性があると指摘しています。
ビットコイン供給不足の原因とは
どうしてこれほどのビットコイン供給不足が続いているのでしょうか。
その疑問に対してグラスノードは、以下のような説明をしています。
非流動的な状態に引き出されるコインの持続的な傾向と量が続いています。
最も重要な観察は、この傾向が始まった日付である2020年3月12日です。
引用:Glassnode The Week On-Chain Google翻訳
グラスノードが指摘している「非流動的」というのは、すなわち購入したビットコインは長期間保有するのみで売られることがないという意味です。
そしてその傾向は2020年3月12日から続いていると述べているわけです。
このことに関して、グラスノードは過去5年間にわたる流動性が分かる、以下のようなグラフを提示しています。
画像引用:Glassnode
このグラフの青色部分は非流動的なものを示しており、オレンジ色は流動的なもの、ピンク色は流動性が高いものを示しています。
これを見ると非流動的、つまり長期間保有する目的でビットコインを購入するケースが増え続けていることが分かります。
これはすなわち、機関投資家が長期間保有することを考えてビットコインを購入するほど、市場に出回る売り買いができるビットコインは減っていくため、その結果としてビットコイン価格が上昇しているということがいえるわけです。
価格が下落しても手放したアドレスは少ない
冒頭で説明したように、ビットコイン価格は史上最高値を記録した後、一度大きく下落しています。
グラスノードはこの時に機関投資家がどう動いたのかについても言及しています。
2021年1月に価格が下落した時は、売りに回って利益を確定させようとする動きが目立ったのですが、2月の時にはこのような動きはあまりみられなかったということです。
このことは、大幅に価格が下落しても、長期保有を止めずに保有し続けた機関投資家が多かったということを示しています。
機関投資家などがビットコイン購入価格帯とは
ビットコインは既に供給不足状態に陥っており、機関投資家はその状態でもビットコインを買い続けたとすれば、彼らはどの価格帯で購入していたのでしょうか。
このことに関しては、仮想通貨市場におけるオンチェーンデータ分析企業であるCryptoQuantのCEOであるKi Young Ju氏が、ビットコインの大口送金について2021年3月3日、以下のグラフとともにツイートしています。
最近のCoinbaseの流出を見ると、保管ウォレットに送られる流出のほとんどは48kの価格でした。
引用:Ki Young Ju Twitter Google翻訳
画像引用:Ki Young Ju Twitter
Ki Young Ju氏の示したグラフは、米仮想通貨取引所Coinbaseにおけるビットコイン送金量を示したものです。
このグラフをみると、2月24日以降にCoinbaseから3回の大口送金があったことが分かります。
仮想通貨取引所であるCoinbaseからビットコインが送金されたということは、すなわち長期保有するためのウォレットに移動させたと考えられます。
短期間で売却するつもりであれば、わざわざ取引所から移動させる必要がないからです。
そして興味深いのは、送金されたタイミングは3回ともにビットコインが下落して48,000ドル近くになったタイミングということです。
これは、この機関投資家と考えられる大口取引アドレスがビットコインを購入した価格帯は、48,000ドル付近であるということを示しています。
さらにグラフでは3月2日にも大口の送金が認められます。
この時点までのビットコインは、2月21日に史上最高値である610万円台を記録した後、2月末にかけて一気に下落し始め、再び回復傾向を示し始めていた段階でした。
そのタイミングで大口送金している、つまり大量に購入しているということになります。
つまりKi Young Ju氏が示したグラフが物語っているのは、機関投資家などのクジラは48,000ドルで大量にビットコインを購入しても、十分利益が出ると考えているということです。
Ki Young Ju氏自身も48,000ドルで追加購入
このCoinbaseのデータから、Ki Young Ju氏も機関投資家などがビットコインを購入する価格帯が48,000ドルであると判断し、自分自身では46,000ドルになっていた時点でビットコインを追加購入していたことを明らかにしています。
最終的には機関投資家の購入レベルである48kを超えると思うので、ここで$ BTCを46kで追加購入しました。
引用:Ki Young Ju Twitter Google翻訳
供給不足とビットコイン大量購入が示すもの
ビットコインの供給不足状態が1年近く続いていること、そして機関投資家などのクジラは48,000ドル付近で大量にビットコインを購入していることが分かりました。
これらが意味するのは、48,000ドルが損益分岐点になると考えているクジラが存在していることと、今後は今以上に供給不足に陥る可能性が高いということでしょう。
48,000ドル付近でクジラが大量購入していることは、それだけでもビットコイン市場に強烈なプレッシャーを与えます。
余程何かがない限り、そのことに触発された他のクジラや一般投資家などが更なる「買い」に向かうことは明白でしょう。
また今以上の供給不足になった時には、価格が一気に高騰してしまうことも予想されます。
これはビットコインを投資対象として考えた時には好材料といえますが、通貨として広く一般に認知・支持されるかどうかは別問題でしょう。
供給不足が深刻になり、クジラなど一部の人だけしか所有できないものになってしまうと、通貨とはいえないものになってしまう可能性もあります。
将来的にビットコインが一部の人だけが持てるものになった時、果たして価格はどうなってしまうのでしょうか。
まとめ
ビットコインの供給不足状態が長く続いていること、そしてそのような状態にある中でも、機関投資家などのクジラがビットコインを大量に購入し続けていることを説明しました。
この状態が続けば、今後ビットコイン価格は610万円台を更新し、以前からいわれていたように1,000万円台にまで突入するのかもしれません。
仮想通貨FXで大きく利益を上げるチャンスが巡ってくるのでしょうか。
当分の間、チャートから目が離せません。