休眠状態のビットコインが今後の価格に大きく影響
- ビットコイン
- 2020.01.15.
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- 休眠状態のビットコインが今後の価格に大きく影響
2020年1月14日の17時50分現在、tradingviewBTCJPYによるとビットコイン価格は932,919円まで上昇しています。
2020年1月3日の10時時点では745,691円でしたから、11日間で187,228円上昇したことになります。
この価格上昇がこれまで発行された全てのビットコインによるものではなく、わずか40%によるものだということが判明したと報道されました。
しかも残りの60%のビットコインは1年以上全く動かされていないようです。
どうして長期保存がこれほど増えているのでしょうか。
またこの長期保存は今後のビットコイン価格にどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。
この報道について、詳しくご説明しましょう。
ビットコインの60%が休眠状態
ビットコインのおよそ1,070万BTCが全く使われることなく、1年以上ずっと保管されたままの状態であることを、フィンテックやデータ構築を主力事業としているDigital Assets Data社が発表しました。
画像引用:Digital Assets Data
ビットコインはこれまでに1,814万BTCが発行されています。
その内の1,070万BTCは、総発行量の約60%に当たります。
これはすなわち2019年の一年間の間にビットコイン価格が高騰したり、大きく値下がりした際にも、わずか40%のビットコインだけによって価格が動いていたということになります。
しかも休眠状態になるビットコインは増えており、2017年以来最も増えているとのことです。
画像引用:coindeskjapan
上のグラフは、1年以上保管したまま動かしていないビットコインの割合を示しています。
この表を見ると2016年1月に60%を超えていましたが、2017年7月頃から減少し始め、2018年7月頃から再び増加傾向にあることが分かります。
そして2019年11月頃からまた一気に増加し、60%近くまで増えていることが読み取れます。
放置状態になっている理由
どうしてこのように多くのビットコインが保管されたまま放置状態になっているのでしょうか。
まず下のチャートをご覧ください。
このチャートは2020年1月14日のtradingviewBTCJPY5年表示のチャートです。
このチャートと、上の1年以上放置してあるビットコイン割合とを見比べると、両者の間に相関関係があることが分かります。
ビットコイン価格が上昇し始めた頃から、放置状態のビットコイン割合が減り始めている傾向が読み取れるでしょう。
例えば2017年の年末に高騰した時には、放置割合は減っています。
また2018年の11月頃から価格が下落すると、放置割合も増えて行きます。
そして2020年のビットコイン価格は、年初めからあまり高騰していませんでしたが、放置割合も高くなっています。
これらのことからいくつかの原因が考えられます。
含み損があるため高騰まで放置
まず考えられるのが、現在保有しているビットコインが高値の時に購入したものである可能性です。
高騰しているタイミングで、もっと値上がりするだろうと考えて購入してしまったが、今売却してしまうと損失になってしまうため、仕方なく保管したまま放置してあるというパターンです。
つまり含み損があり、利益がでる金額に高騰するまで保管し続けているという状態です。
このニュースを発表している、Digital Assets Data社のKevin Kaltenbacher氏は、以下のように述べています。
「多くの投資家は、2017年と2018年に高値で購入されたビットコインでまだ水中に潜んでいる可能性があります」
引用:coindesk.com Google翻訳
すなわち2017年から2018年の非常に高値だった時に、多くの人がビットコインの高騰を期待して購入している可能性が高いということです。
このケースでは保管している期間が長いほど負担に感じ、ビットコイン価格が購入金額を上回った時、つまり利益がでた時にすぐ売却してしまうケースが多いのではないかと考えられます。
半減期の高騰を期待して放置
もうひとつのパターンが、半減期による価格上昇を期待して保有し続けるものです。
ビットコインの半減期においては、過去2回にわたって価格が上昇してきました。
次の半減期は2020年5月に迎える予定であり、また価格が上昇するだろうから、今は保有しているというものです。
しかし次回の半減期ではビットコイン価格は上昇しないとの説も出ており、万が一価格が上昇しない場合には諦めて売却する、つまり価格の下落に拍車をかけることになる可能性もあります。
長期的に高騰を期待して放置
そしてもうひとつが、ビットコインの将来性や将来的価値を認めており、長期的には必ず高騰するはずだと考えて保有し続けているパターンです。
このことに関して興味深いデータがあります。
以下のグラフはビットコイン価格とビットコインの保有期間をひとつのグラフにあらわしたものです。
折れ線グラフがビットコインの価格をあらわし、色分けされたのがビットコインの保管期間をあらわしています。
濃い青色、つまり長期間保管されている割合が少しづつ増えているのが分かります。
その一方で赤に近いほど、つまり保管期間が短いほどビットコイン価格に敏感に反応していることが分かるでしょう。
これは、ビットコインの将来性を期待する人ほど長期保管している場合が多く、しかも少しぐらいの価格変動程度では売却することがないことも示していることになります。
画像引用:coindeskjapan
長期的視点以外は高騰で一気に売却の可能性
ビットコインの長期保有の理由についてご説明しましたが、これらのパターンのうち長期的視点でビットコインを保有しているケース以外は、一時的にでも価格が高騰するとすぐに売却してしまう可能性が高いといえます。
それはすなわちビットコイン価格が上昇すると、そのタイミングに合わせて売却するであろう人が一定数いるということです。
そこから考えられることは、高騰するとすぐに値下がりするということです。
もちろん多少のタイミングのズレはあるでしょうが、過去の高値を更新した時点で大きく値下がりすることが充分考えられるわけです。
ビットコインの将来への期待度が高まっている
上記のビットコイン価格と保管年数の表から、もうひとつ推測できることがあります。
それは5年以上の長期に渡ってビットコインが保管されている比率が高まっているという点ことから、ビットコインの将来に対する期待度が高まっているのではないかというものです。
ビットコインの存在や利便性などが報道によって知られることになり、今後の発展の可能性や将来性などに対する評価が高まっているという見方ができるのではないでしょうか。
もちろん評価する人が増えたというケースだけでなく、人はそれほど増えていないものの、ひとり当たりが保管するビットコインの量が増えているというケースも考えられます。
しかしビットコインの将来に対する期待が高まっているという点では、どちらの場合でも同じだといえます。
まとめ
ビットコインの長期保管状態とその理由、そして将来的な価格に与える影響などについてご説明しました。
長期保管している理由によって、売却のタイミングが異なるであろうことがご理解いただけたと思います。
またビットコインの将来性に期待している割合が増えてきているのは、世の中がビットコインの先進性や可能性に注目しつつあることも影響しているのでしょう。
特にビットコインに用いられているブロックチェーン技術などは、その最たる例だといえます。
今後ビットコインがどのように用いられるようになっていくのかはまだ分かりませんが、ビットコインの将来に期待しようではありませんか。