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米とイランの紛争がビットコイン価格を高騰に導く?

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  • 2020.01.09.

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  • 米とイランの紛争がビットコイン価格を高騰に導く?

2020年1月4日、米がイランの英雄的存在だったガセム・ソレイマニ司令官を無人機攻撃で殺害したことにより、米とイランとの間で紛争が勃発しました。

そして1月8日、イランは報復的行動としてイラクにある駐留米軍基地を目標にミサイル攻撃をおこなったと発表されています。

 

この紛争が起こった時からビットコインは値上がりを続けており、tradingview の2020年1月8日18時前には90万円台に突入しています。

 

この紛争がビットコインの値上がりの直接原因になっているのか、紛争内容と価格とを時系列で照らし合わせてみましょう。

 

またもしこの紛争が値上がりの直接原因だったとするならば、仮想通貨FXで価格予想のために用いられることの多いテクニカル分析は有効なのでしょうか。

そのことも合わせてご説明しましょう。

 

米がソレイマニ司令官の殺害を発表

2020年1月4日、米国防省がイランの革命防衛隊司令官であったガセム・ソレイマニ氏を、イラクにおいて無人機での攻撃で殺害したことを発表しました。

なおこの攻撃は、トランプ大統領の指示であったことが発表されています。

 

この発表があるまでのtradingview のビットコイン価格は、75万円付近を推移していましたが、米国防省の発表があると一気に価格が上昇し、78万円を超え始めました。

 

またこの時には原油価格が4%上昇しただけでなく、金の価格も2019年9月以来の高値を付けています。

tradingviewBTCJPY

画像引用:tradingviewBTCJPY

 

この時のビットコイン価格の上昇は、イランの法定通貨が下落するのではないかとの金融不安が広がったため、ビットコインへの買いが集中したのだろうといわれていました。

すなわちビットコインに資産を避難させる動きではないかと指摘されていたわけです。

 

この際、多くのメディアは、ビットコインが有事の際には金のように安全資産となっていることを指摘しており、中でもForbesは米とイランとの間で戦争が起こればビットコインが「Moon」する、つまり急騰すると報道しています。

Forbes

画像引用:Forbes

 

イランの米側への報復宣言

米軍によって殺害されたイランの革命防衛隊ガセム・ソレイマニ司令官の葬儀には、イランの一般人、数百万人が参列したと報じられています。

また、イランの最高指導者ハメネイ師も追悼をささげています。

 

ガセム・ソレイマニ司令官の遺体は2020年1月7日に出身地であるケルマン州で埋葬されましたが、最高指導者ハメネイ師は当初から3日間は国を挙げて喪に服すと告げていたため、埋葬が終われば喪が明けることになります。

 

イランの現地メディアは、ハメネイ師の外交顧問が喪の明ける前日の1月6日に報復を実行すること、そして米軍がこの地域から撤退するのなら被害は少ないが、撤退しなければベトナムより泥沼になるだろうと宣言しています。

なおこの報復宣言は、米軍によってガセム・ソレイマニ司令官が殺害されたことが明らかになってから二度目の宣言でした。

 

一方、米のトランプ大統領は2020年1月4日の時点で、ガセム・ソレイマニ司令官殺害に対し、イランが報復するなら52に及ぶイランの施設を標的にすることをTwitterに書き込んでいます。

Donald J. Trump Twitter

画像引用:Donald J. Trump Twitter

 

tradingviewのチャートからも、この二度目の報復宣言と喪が明けたタイミングでビットコイン価格がさらに上昇していることが分かります。

 

イランによる米軍駐留基地への攻撃

2020年1月8日、ガセム・ソレイマニ司令官を殺害されたイランの革命防衛軍が、米軍が駐留しているアル・アサド基地を10発以上のミサイルで攻撃したことが、Wall Street Journalによって報道されました。

Wall Street Journal

画像引用:Wall Street Journal

 

イランの攻撃について、現在トランプ大統領は詳細な説明を聞いており、今後の対応を協議するものとみられます。

 

前述した通り、トランプ大統領はイランが報復攻撃をおこなうならば、52のイラン施設を攻撃する旨をツイートしており、もしこの通りのことを実行すれば戦争に発展する可能性があります。

 

上のtradingviewのチャートにも示した通り、この報道が出た途端にビットコイン価格は急騰し始め、90万円を超える動きになっています。

 

ビットコインが安全資産として機能

米とイランとの紛争の一部始終が、ビットコイン価格と連動していることはもう間違いないでしょう。

またビットコインだけでなく、金の価格も似た動きを示していることが分かっています。

 

つまり今回のケースは以前から指摘されていたように、ビットコインが金と同じく、有事の際の安全資産として機能しているということです。

 

現時点では米トランプ大統領が今後どのように対応するのか、動きは見えていませんが、もしイランの報復攻撃に対してさらなる攻撃を加える判断をするなら、戦争は回避しにくくなってしまいます。

 

その場合には、おそらくビットコイン価格はさらに高騰していくことも考えられるでしょう。

 

有事の際のテクニカル分析について

米とイランとの紛争がビットコイン価格高騰の原因であるものの、仮想通貨FXの価格予想で用いられることの多いテクニカル分析は、このような際にどう位置付ければ良いのでしょうか。

テクニカル分析では、今回のビットコイン高騰は予想できなかったはずです。

 

有事の際のテクニカル分析について、著名なテクニカル分析家であるPeter Brandt氏がツイートしていますので、ご紹介しましょう。

Peter Brandt Twitter

画像引用:Peter Brandt Twitter

 

Peter Brandt氏はTwitterの中で、金相場のチャートを示しながら以下のようにツイートしています。

 

チャーティスト

国際的な危機に関しては、価格チャートを捨ててください。サポートとレジスタンスのレベルは何の意味もありません。

引用:Peter Brandt Twitter Google翻訳

 

つまり、国際的な危機が訪れた時にはテクニカル分析に頼ってはいけないということを示しているわけです。

 

ただしPeter Brandt氏は、金のチャート分析とビットコインのチャート分析を分けて考えているようです。

金のチャートに関しては上記の通りですが、ビットコインのチャートは一時的なブームに乗った人が多いかどうかなどによっても影響を受けることを指摘しながら、強気相場かどうかを判断するためだけにチャートを活用していることを述べています。

 

 まとめ

米とイランの紛争がビットコイン価格にどのように影響しているのかを、出来事単位でご説明しました。

 

今回の紛争では、ビットコインは安全資産としての働きを示していますが、どんな国同士の紛争でも同じように機能するかどうかは不確定です。

また、イランの報復攻撃に対して、トランプ大統領が52カ所への攻撃を開始するのかどうかも今後のビットコイン価格に大きく影響するでしょう。

加えて中国やロシアがイランを支持しているため、もし米が攻撃を開始すると、世界中を巻き込んだ戦争に発展しかねず、そのような事態になると今回のケースではビットコインが今以上に大きく高騰する可能性もあります。

 

戦争は何とか回避してもらいたいですが、ビットコインの安全資産としての一面が確認できたことは唯一喜ばしいことかもしれません。

 

またニュースから目が離せない日々が続いてしまうようです。

 

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