取引指標になるNASDAQインデックスとeToroの感情分析
- 仮想通貨関連
- 2019.10.17.
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- 取引指標になるNASDAQインデックスとeToroの感情分析
仮想通貨FXを取引しようとしたとき、皆さんは何を参考にして取引をするでしょう。
テクニカルでしょうか、それともニュースを参考にされますか。
実は、仮想通貨FX取引の参考にできそうな指標を提供するとのニュースが相次いで2件報道されました。
残念ながら日本では利用することはできませんが、今後同様のサービスが日本でも展開される可能性も考えられますので、知っておいて損はありません。
この2件のニュースについて、詳しくご説明しましょう。
米NASDAQが仮想通貨インデックスを提供
米の証券取引所であるNASDAQ(National Association of Securities Dealers Automated Quotationsの略)が、仮想通貨にありがちな出来高詐称を防ぎ、仮想通貨取引をする全ての人々に公平な判断ができるようAIを活用して、実際の出来高上位を示すことができる仮想通貨インデックス「CIX100」の提供を開始しました。
このニュースは「CIX100」を開発・提供しているCryptoindex社がプレスに向けてニュースリリースとして発信しました。
画像引用:CRYPTOBRIEFING
CIX100のAIによる分析方法とは
ではCIX100のAIはどのように仮想通貨の出来高詐称を見破り、信頼できるデータを抽出しているのでしょうか。
このニュースリリースでは、以下のように記述されています。
CIX100は暗号市場のベンチマークとして機能し、暗号通貨データを分析し、200を超える要素でフィルタリングします。独自のフォーミュラを使用して、偽のボリュームを持つコインを除外します。
最初のフィルタリングが完了すると、Cryptoindexの独自のAIアルゴリズムは、最大の9つの暗号通貨取引所、およびニュースフィード、Twitter、GitHubなどのデータを分析します。
引用:CRYPTOBRIEFING Google翻訳
つまり「CIX100」は仮想通貨の取引高偽装を200の要素で振り分けていき、いくら取引高があっても偽のものである場合には排除していくようになっています。
これがまず最初のステップで、次に振り分けたデータを9カ所の仮想通貨取引所における実際の取引データや仮想通貨関連ニュース、SNSなどに投稿された内容を加味して、さらにデータを絞っていく工程を経ています。
これによって見せかけではない、信頼できるデータだけを提供できるようにしているわけです。
CIX100のさらなる機能
仮想通貨のインデックス、つまり取引高順位は常に変わっていきます。
一度銘柄を抽出すれば終わるものではありません。
そこでCIX100も月単位で上位100銘柄を最新の状況に沿ったものになるよう、更新されています。
そしてCIX100の機能はこれだけにとどまりません。
AIが仮想通貨の価格予想までおこなえるのです。
これまでの勝率は日平均で82%もの実績があるとのことですから、人間が予想するよりもはるかに勝率は高いといえます。
eToroが感情分析ツールでの仮想通貨ポートフォリオを提供
そしてNASDAQのAIによる仮想通貨インデックス以外にも、トレーダーが指標にできるものが登場しています。
それがeToroの感情分析ツールによる仮想通貨のポートフォリオです。
eToroはキプロス、イスラエル、英国に拠点を置く投資関連のプラットフォームですが、SNSを分析するマーケティング企業The TIEと共に、仮想通貨などのデジタル資産に関してSNSから多くの人々の感情を分析し、考えられる最適な仮想通貨ポートフォリオを提案できる「TheTIE-LongOnly CopyPortfolio」の運用を発表しました。
画像引用:TheTie
ポートフォリオ提案の仕組み
「TheTIE-LongOnly CopyPortfolio」は、仮想通貨を実際に取引している人の書き込みが他のSNSよりも多いTwitterのコメントを判断材料にしています。
Twitterの仮想通貨に対するコメントのみを抽出し、そのコメントがポジティブなものなのか、ネガティブなものなのかを判断することで、仮想通貨を資産として考えた時に最適であるポートフォリオを提案できるようになっています。
提案するポートフォリオは13種の仮想通貨の中から選びだされるようになっており、対象とするのはBTC、XRP、ETH、BCH、DASH、EOS、IOTA、ETC、NEO、LTC、XLM、ZEC、ADAと豊富に揃えられています。
Twitterを判断材料にする理由
SNSにはTwitterだけでなく、FacebookやInstagramなどもありますが、どうしてTwitterを判断材料にしているのでしょうか。
その理由は、上記のように仮想通貨取引をしている人の利用者が多いというだけでなく、情報伝達速度や情報の拡散力はTwitterが最も優れているからです。
特にフォロワーによる「いいね!」が、別のフォロワーにまで広がっていくことが挙げられます。
TheTieのジョシュア・フランクCOOは、情報源としてのTwitterの優秀さを認めただけでなく、Twitterに仮想通貨に関する書き込みをすることには配当や収益などが発生しないため、仮想通貨の価値を素直に反映する書き込みになるとした旨の発言をしています。
感情分析の仕組み
ではTwitterの仮想通貨に対する書き込みを、どのように感情分析するのでしょうか。
感情分析の手法については、2019年7月8日に掲載した本サイトのニュース記事「日米にはBTC肯定派の多いことがTwitterから判明」でも記述しましたが、改めて簡単にご説明しましょう。
感情を表現する文章や顔文字をあらかじめ辞書化して、ポイントを+1や-1などスコアリングしておき、トータルでどれほどプラスが多いのか、またマイナスが多いのかでネガティブにとらえられているのか、またポジティブにとらえられているのかを判断することができます。
感情分析結果は収益につながるのか
このように感情分析をした結果に基づいて、仮想通貨のポートフォリオを決めてしまうのは収益につながっていくのでしょうか。
仮想通貨に関連したTwitterの書き込みを分析すれば、収益は上げやすくなるだろうと話すマーケティング専門家がいます。
Rice Universityでマーケティングの教授であるUtpal Dholakia氏です。
Utpal Dholakia教授の説では、仮想通貨市場はまだ小さな市場であり、これに関わっているのは投資家と専門家などだけである現状では、投資家は仮想通貨を購入する指標として他の投資家の行動を参考にしたいと考えており、その目的でSNSを利用すると述べています。
Utpal Dholakia教授の説はビットコインの値動きの理由に通じるものがあります。
ビットコインには元々価値がないものであり、価格をコントロールする組織もありません。
需要と供給、つまり売り手と買い手のボリュームによって価格が変動するわけですが、そこにはトレーダーの感情が大きく影響するといわれています。
トレーダーが強気になれば価格は上昇し、弱気になれば価格は下落していきます。
すなわちUtpal Dholakia教授は、トレーダーが自分の感情である判断が正しいかどうか、不安だからこそSNSを参考にすると説明しているわけです。
まとめ
NASDAQのインデックスとeToroの感情分析に関してご説明しました。
残念ながらこれらは日本では活用することはできませんが、このような手法は日本でも展開することができるはずです。
今後これらの手法を応用したビジネスが日本でも展開される可能性は高いといえます。
これらの手法は収益性を高めるためには非常に有効なものであり、日本で展開されれば話題にもなり、活用する人も多くでてくるでしょう。
それまでは自分で取引高を調べ、Twitterを閲覧し、取引の参考にしていくしかないのかもしれません。