業績好調のコインチェックがゲームとコラボ
- 取引所
- 2019.08.02.
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ビットコイン価格の上昇に伴って業績も向上しつつあるコインチェック(Coincheck)が、ブロックチェーンゲームを提供しているマイクリプトヒーローズ(My Crypto Heroes)とのコラボキャンペーン実施を発表しました。
コインチェックを使用してマイクリプトヒーローズに送金や会員登録するとメリットがあるだけでなく、マイクリプトヒーローズのユーザーに対してもメリットがあるなど、相互の利用者に対するキャンペーンになっています。
このキャンペーンの概要と、なぜこのタイミングで実施するのかの考察、またコインチェックの業績向上などについてもご紹介しましょう。
コインチェックがマイクリプトヒーローズとキャンペーン
2018年1月に起こったXEMの流出事件後、その年の10月30日より新規口座開設受付を再開したコインチェックは、その後業績が好調に伸びてきています。
これらを背景にして、さらに利用者の拡大を伸ばす狙いがあるのでしょう。
ブロックチェーンゲームの大手であるマイクリプトヒーローズとのコラボキャンペーンの実施を発表しました。
キャンペーン内容
コラボキャンペーンには大きく分けて2種類のキャンペーンがあります。
キャンペーン1
ひとつはコインチェック経由の新規登録者だけを対象にしたキャンペーンで、コインチェックからイーサリアムを送金して手続きすることで抽選対象者になるものです。
2019年8月9日~22日のキャンペーン期間にマイクリプトヒーローズで新規登録をし、コインチェックからイーサリアムをウォレットに送金。
総額0.1ETH以上のゲーム内で使える通貨GUMを購入して、Prime加入。
この全てを完了した人がキャンペーンの対象者となります。
対象者の中から抽選で500人にUncommon「サトシ・ナカモト ALPHA CC」がプレゼントされます。
画像引用:medium.com
キャンペーン2
もうひとつは、全てのマイクリプトヒーローズ利用者を対象にしたキャンペーンです。
特定の対象ツイートをリツイートした利用者が抽選対象となります。
8月9日に配信されるツイートをリツイートした全てのマイクリプトヒーローズ利用者の中から、抽選で10人に1ETHがプレゼントされ、30名にEpic「サトシ・ナカモト OMEGA CC」がプレゼントされます。
なお、このキャンペーンの開催日程は8月9日~8月15日までとなっています。
画像引用:medium.com
マイクリプトヒーローズについて
マイクリプトヒーローズはイーサリアムをベースにしたブロックチェーンゲームで、double jump.tokyo株式会社が運営する世界でも人気のゲームです。
正式にサービスが開始されたのは2018年10月30日ですが、開始初日から取引高や取引量、DAUで世界1位を記録しています。
またブロックチェーンゲームで初めてテレビコマーシャルを流し、大きな話題となっていました。
その人気は今も健在で、常にランキングTOPの座についています。
画像引用:MyCryptoHeroes
ゲームの内容は、歴史上の人物を集めながらバトルや色々なステージを攻略していき、クリプトワールドの制覇を目指していくものです。
もちろんレベルが上がるほどステージを攻略しやすくなりますが、その分ステージ攻略も難しくなっていきます。
そのため、ステージに応じたチームメンバーを揃えることがクリアするのに必要な条件となります。
またイーサリアムのトークンを使えば、キャラクターをやり取りすることも可能になっているなど、仮想通貨を利用することで攻略もしやすくなっていくわけです。
今回のコインチェックとのコラボキャンペーンで抽選に当選した人だけがもらえるキャラクターUncommon「サトシ・ナカモト ALPHA CC」とEpic「サトシ・ナカモト OMEGA CC」がどのような特徴を持ったキャラクターなのかは分かりませんが、ビットコインの生みの親ともいわれるサトシ・ナカモトをネーミングに用いるあたりは、さすがブロックチェーンゲームのキャラクターといったところでしょう。
回復しつつあるコインチェックの業績
コインチェックはXEMの流出後、内部の管理を厳格にし、セキュリティ対策も以前よりもはるかに厳重なものにしつつ、運営費用の削減を徹底実施していました。
その結果、2018年の新規口座開設受付後は受付口座数も増大しており、モナコインの上場や最近のビットコインの高騰などの後押しを受け、黒字化に至っています。
2020年3月期 第1四半期決算のセグメント利益では1.4億円を計上するまでに回復しています。
画像引用:MONEX GROUP 2020年3月期 第1四半期決算資料
マネックスグループがリブラ協会に参加申請
仮想通貨事業に積極的なマネックスグループはコインチェックの業績が回復しつつあり、さらなる拡大を目指して、フェイスブックの仮想通貨リブラを発行・運営するリブラ協会に参加申請をしました。
リブラ協会には現在、VISAやMastercard、PayPal、ebay、vodafoneなど世界に名だたる大企業の名前が表記されています。
企業名の表記は、これらの企業が確実に参加することを示しているわけではありませんが、リブラ協会に参加するには厳しい条件が設けられています。
リブラ協会に加盟するための条件とは
リブラ協会に加盟するための条件は複数あります。
10億ドル以上の市場規模があること、顧客からのキャッシュフローが5億ドル以上あること、1年間の利用者数が2,000万人以上あること、そして第三者機関からの評価で業界の中で100位以内のポジションにあることです。
この条件のうち、最低ふたつをクリアしなければならないうえ、決定権を投票するためのトークンを1票あたり1,000万ドルで購入しなければなりません。
トークンは1票分である必要はなく、発言力を高めるために2票、3票と購入しても構いませんが、もちろん購入費用も掛かってしまいます。
リブラ協会への参加の合否
マネックスグループがリブラ協会への参加を認められるかどうかは、8月の一次審査を経て、9月には分かるだろうといわれています。
マネックスグループも加盟条件について把握しているはずであり、上記の条件の幾つか(もしくは全てかもしれません)をクリアしていることは自社内で確認しているはずです。
後は、リブラ協会側がどう判断するかに掛かっているのではないでしょうか。
コラボキャンペーン実施の意味
マネックスグループがリブラ協会への加盟申請をしている同じタイミングで、マイクリプトヒーローズとのコラボキャンペーンを展開するのには、どのような意味があるのでしょう。
もちろん利益が黒字化したこのタイミングでコインチェックに本腰を入れ、さらなる利益拡大を狙う意図はあるでしょう。
しかしコインチェックは元々マネックスグループによって作られた仮想通貨取引所ではなく、XEMの流出事件によってマネックスグループに買収される形で傘下に入りました。
つまり仮想通貨業界ではコインチェックは知られてはいるものの、マネックスグループそのものは業界内で実績を残せていないといえます。
リブラ協会加盟審査のタイミングで、世界で最も人気のあるマイクリプトヒーローズとのコラボキャンペーンを実施することは、マネックスグループに必要な実績と知名度を高めることにつながっていくはずです。
これがリブラ協会加盟審査に対して有利に働くと考えるのが自然なのではないでしょうか。
まとめ
コインチェックとマイクリプトヒーローズのコラボキャンペーンの概要と、そのタイミングから推察される思惑について説明させていただきました。
これらはマネックスグループが発表しているわけではありませんし、あくまでも推論です。
しかしこの推論が正しかったとすれば、マネックスグループはそれだけ本気でコラボキャンペーンを立ち上げたはずであり、話題になるほどユニークなものであるはずです。
どれほど面白く、話題になりそうなものなのか、皆さん自身が試してみられればいかがでしょうか。