お問い合わせ

楽天ウォレットが新規口座開設受付を開始

  • 取引所
  • 2019.05.12.

  • ニュース
  • 楽天ウォレットが新規口座開設受付を開始

2019年4月15日、楽天グループの連結子会社で仮想通貨交換業を運営する楽天ウォレットは、仮想通貨取引サービス「楽天ウォレット」の新規口座開設の申し込み受付を開始したと発表しました。

 

楽天グループの「楽天銀行」の銀行口座を持っている顧客については、Web申し込みフォーマット上で必要事項を入力するだけで、口座開設が可能だと説明されています。

また、顧客問い合わせにAIを採用し、24時間対応できるチャットサービスが導入されるとのことです。

 

スマートフォンに対応したアプリの提供も予定しており、場所を選ばずに取引口座への入出金・仮想通貨の取引が行えるよう、顧客へのサポートを充実させようとしています。

 

楽天は、2018年8月に連結子会社の楽天カードを通じて、仮想通貨取引所「みんなのビットコイン株式会社」を買収し、仮想通貨事業に乗り出したという経緯があります。

その後、2019年3月1日付で商号を楽天ウォレット株式会社へと変更し、25日には仮想通貨交換業者として金融庁に登録されています。

 

29日には2019年6月より楽天ウォレットの提供を開始する旨を発表しており、今回の新規口座開設の申し込み受付も予定通りのスケジュールとなっています。

このことから、今後楽天が仮想通貨事業に本格的に参入することは明白で、代表取締役社長の三木谷浩史氏が、何らかの思惑を持って行動しているものと思われます。

 

果たして、楽天が仮想通貨事業に参入した意図は、どのようなところにあるのでしょうか。

今回は、楽天ウォレットを巡る動きから、三木谷氏の考えを紐解いていきたいと思います。

 

なぜ楽天は仮想通貨事業に参入することを決めたのか

楽天グループではブロックチェーン技術の研究を進めており、2016年、研究機関として「楽天ブロックチェーン・ラボ」をイギリス・ベルファストに設立していました。

楽天は通販事業を主としていることから、将来的にEコマース・実店舗での決済・P2Pでの決済手段として、仮想通貨が持つ決済機能の役割を重要視しているのではないかと推察されます。

 

仮想通貨の決済がスムーズにできるようになるには、決済手段を円滑に提供する必要があります。

システムがしっかり組まれていなければ、使用する側も管理する側も混乱してしまうからです。

 

システムを他社に依存するよりは、仮想通貨交換所機能を提供できる組織を立ち上げ、取引に必要なシステムを自社で管理する方法が効率的です。

そのような事情から、楽天はシステムの自前化を検討し、みんなのビットコイン買収という選択肢を選んだものと考えられます。

 

そのほか、楽天グループに属する楽天証券では、FX顧客を中心として、仮想通貨による運用のニーズが大きくなっており、それも仮想通貨交換業への参入を検討した背景と考えられます。

 

みんなのビットコインはなぜ買収を受け入れたのか

楽天側に買収されたみんなのビットコイン株式会社ですが、なぜ買収(株式譲渡)という選択肢を受け入れたのでしょうか。

主な理由としては、楽天グループの傘下に入ることで事業を強化でき、技術面等の相乗効果を狙ったものと推測されます。

 

みんなのビットコインは、2017年3月30日から仮想通貨交換所サービスを開始していたものの、2018年4月25日時点で関東財務局から業務改善命令が出されていました。

 

そもそも、関東財務局に対して、仮想通貨交換業者の登録を申請したのが2017年9月7日のことです。

それから認可されるのを待つまでの間は「みなし仮想通貨交換事業者」として営業していました。

 

しかし、業務改善命令を受けたことで、仮想通貨交換業者の登録を目指すには不足している点があるものと認識し、楽天グループの傘下に入ることを決断したものと考えられます。

 

金融庁から指摘された業務改善命令の具体的な項目は、主に以下のような内容となっています。

 

  • 経営管理態勢の構築
  • マネーロンダリング及びテロ資金供与に係る管理態勢の構築
  • 帳簿書類の管理態勢の構築
  • 利用者保護措置に係る管理態勢の構築
  • システムリスク管理態勢及び外部委託先管理態勢の構築の改善

 

これらを全て改善した後、仮想通貨交換業者として登録するためには楽天の資本・技術が必要だと判断した結果、株式譲渡の手続きに入ったと考えても決して不自然ではありません。

 

2019年に入り、みんなのウォレット株式会社は楽天ウォレット株式会社に商号変更し、金融庁に仮想通貨交換業者として登録されたため、この選択肢は吉と出たと言ってよいでしょう。

 

大手企業は仮想通貨事業参入の流れに傾いている

新たな決済方法として仮想通貨の導入を考えている大手企業は、仮想通貨事業参入を続々と発表しています。

メルカリやDMM・LINEなど、全国的に名を知られた大企業もその中に含まれ、みずほフィナンシャル・グループも銀行と手を組み新しい仮想通貨を開発する予定と言われています。

 

なぜ、この時期に参入が続いているのでしょうか。

その理由の一つに「ビットコインの暴落」と「仮想通貨全体の低迷」が考えられます。

 

2018年初頭にビットコインが暴落して以来、仮想通貨市場全体の冷え込みが目立っていました。

2019年5月からは再び価格が上昇しているものの、参入を発表した当初は相場も痛みを引きずっていたように見えます。

 

にもかかわらず、仮想通貨低迷の時期に参入の動きをかけたのは、コストを低く抑える狙いがあるものと考えられます。

金融庁の登録業者となるまでには審査に時間を要しますから、そのタイムラグを計算した動きでもあったのでしょう。

 

また、参入企業の多くは、ノウハウを持っている取引所を子会社化することが多いようです。

先にご紹介してきた通り、楽天もその一つです。

 

ブロックチェーン技術は特殊なものであり、専門知識を持っている人材を採用すること・育成することには多大な時間や労力がかかるため、一定の能力を持つ取引所を買収することで、時間と労力を短縮したものと考えられます。

 

楽天の参入はビットコインの価値を高めるか

仮想通貨の市場規模は株式やFXに比べて小さいため、まだまだ市場は発展途上と言えます。

多くの事業が新しく事業参入を決め、仮想通貨の信用性が増せば、将来的に仮想通貨の価値が大きく上昇する可能性は否定できません。

 

仮想通貨は世界中で取引されていることから、楽天が新しい動きを見せたからといって、値段の急激な上昇が見込めるという話にはなりにくいでしょう。

しかし、日本国内では少なからず注目されているため、業界に与えるインパクトは大きいと推察されます。

 

短期的な値動きを目的とした投資だけでなく、決済手段として安定した人気を仮想通貨が得るためには、やはり大企業の参入が重要なファクターになると言えるでしょう。

 

おわりに

楽天ウォレットが仮想通貨事業参入の具体的な一歩を踏み出したことで、他の企業も参入の動きを活発化するものと思われます。

まずはネット事業を主体とした企業が音頭をとり、その中でシステムが普及すれば、実店舗での買い物にも技術が応用されることでしょう。

 

また、三木谷氏は、IT分野の環境整備を推進するために民間の立場から政策提言を行う団体である「新経済連盟」に加入しています。

各種取引や税制に関する提案を金融担当大臣に提出しているため、金融庁の今後の方針や政府による消費者に有利な政策の運用など、楽天ウォレットも含めた仮想通貨を巡るこれからの動向に注視したいところです。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

リスク警告

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

Copyright ©   BitcoinFXpro All Rights Reserved.