Bybit(バイビット)で確定申告が必要なケースとは?
- 独自連載
- Bybit特集
- 2020.10.08.
- 特集
- Bybit(バイビット)で確定申告が必要なケースとは?
Bybitは海外の仮想通貨FX取引所で、しかも日本円での入出金はできません。
利用時には国内取引所などで仮想通貨を日本円で購入後に送金することになります。
そして、Bybitで仮想通貨の売買取引をおこない、利益を得たので出金しようとする場合も仮想通貨でしか出金できません。
このような場合、利益に対する税金はどうなるのか?確定申告はどこにしたらいいの?と疑問に思われている方も多いでしょう。
そこでBybitで取引した場合に確定申告が必要になってくる条件や取引の種類、タイミングについて詳しく解説していきます。
既にBybitを利用している方をはじめ、これからBybitで取引しようと思っている方も事前知識として是非お役立てください。
Bybitで得た利益の確定申告はどこにするのか
Bybitは海外の仮想通貨取引所ですが、税金は取引している人の居住地に納めることになります。
つまり、日本国に居住している人がBybitで取引して利益を得た場合は、日本の税法に則って確定申告と納税をしなければなりません。
日本では、国税庁が2017年12月に仮想通貨取引で得た利益は「雑所得」に分類されることを発表しており、課税対象になっています。
Bybitで取引した場合に確定申告が必要な条件
一般的に確定申告が必要なケース
所得税の確定申告が必要となるのは、大別すると以下のケースに該当する場合です。
- 一般的な給与所得者の場合
給与や退職所得以外の所得合計金額が年間で20万円以上となるとき - 給与所得者以外の場合
年間の所得(事業や譲渡所得など)合計金額にかかる所得税額が発生したとき
※詳細については、国税庁の「確定申告が必要な方」ページをご覧ください。
Bybitの仮想通貨取引で確定申告が必要になるケース
Bybitで取引して得た利益は「雑所得」になりますので、利益額によって以下の場合に確定申告が必要です。
- 一般的な給与所得者の場合
Bybitで取引して得た利益と、その他所得(給与や退職所得以外)の合計金額が年間で20万円以上となるとき - 給与所得者以外の場合
Bybitで取引して得た利益と、その他所得(事業や譲渡所得など)の年間合計金額にかかる所得税額が発生したとき
給与所得者の場合、勤務先から支給される給料など以外の収入が20万円未満であれば確定申告は不要です。
したがって、年間で給料以外の収入がBybitの取引で得た利益のみ、かつ、利益額が20万円未満であれば確定申告は不要になります。
また、給料以外に副業などで何らかの収入があった場合は、その金額とBybitで得た利益額との合計が20万円未満であれば確定申告は不要です。
給与所得者以外の個人事業主や自営業者の場合は、Bybitで得た利益を雑収入として本業の事業収入に合算して所得金額を計上することになります。
因みに、所得税の確定申告における基礎控除額は38万円(※2020年現在)ですので、Bybitで得た利益額を含む所得の合計が38万円以下であれば、課税所得額は0円(=所得税額0円)になり確定申告は不要ということになります。
Bybitの仮想通貨取引で所得が発生するタイミング
仮想通貨取引で得た利益は雑所得であり課税対象であることは説明しましたが、具体的にどのようなタイミングで所得が発生するのでしょうか。
仮想通貨の取引で所得が発生するタイミング
仮想通貨は、現物購入して取引をせずに所持しているだけであれば税金はかかりません。
課税対象となる所得が発生する取引には、主に次の5つがあります。
- 1.仮想通貨を売却したとき
- 2.仮想通貨を他の仮想通貨と交換したとき
- 3.仮想通貨で商品を購入したとき
- 4.仮想通貨をマイニングしたとき
- 5.証拠金取引(仮想通貨FX)でポジションを決済したとき
※証拠金取引とは、仮想通貨の現物を取得したり売却したりすることはおこなわず、「売り注文と買い注文の差益」を決済する取引方法
上記1~5の取引それぞれで発生した所得を合算したものが、申告する仮想通貨取引の所得額になります。
Bybitで所得が発生するタイミング
Bybitは仮想通貨FXの取引所であり現物取引には対応していません。
したがって、前項の5つの取引の内、所得が発生するタイミングは以下の2つになります。
- 仮想通貨を他の仮想通貨と交換したとき
- 証拠金取引(仮想通貨FX)でポジションを決済したとき
Bybitの取引で利益を得られ確定申告が必要であれば、上記2つのそれぞれで所得額を算出し、それらを合算した額を申告することになります。
所得額の算出方法については次の項でご説明しますが、Bybitの確定申告に必要な書類の種類と取得方法については、以下の記事に詳しく解説していますのでご参照下さい。
仮想通貨取引で発生する所得額を算出する方法
「所得額」とは、「収入」から「必要経費」を差し引いた残額のことです。
Bybit利用時に該当する仮想通貨FXにおいては、売買取引で得られた差益は「収入」になり、その取引をするためにかかった手数料(取引手数料、資金調達料、出金手数料)が「必要経費」になります。
また、確定申告する所得額は、以下の手順で求めます。
- 1. 前述の所得が発生する5つの仮想通貨取引それぞれに、収入から必要経費を差し引いた所得額を算出
- 2. 1で算出した所得額を合算(※マイナス分は差し引く)
では、5つの仮想通貨取引それぞれに所得額を求める方法をご説明します。
1.仮想通貨を売却したとき
購入した仮想通貨を売却したときに所得が発生します。
この場合の所得額の計算式は次のとおりです。
- 所得額=(仮想通貨の売却価格)-(仮想通貨の取得価格)
2.仮想通貨を他の仮想通貨と交換したとき
保有する仮想通貨を別の仮想通貨に交換したタイミングで、所得が発生します。
該当するのは、Bybitで仮想通貨入金後に他の仮想通貨へ交換してレバレッジ取引する場合や、出金する前に仮想通貨交換した場合です。
たとえば、仮想通貨Aを仮想通貨Bに交換したときの所得額は次の計算式で求めます。
- 所得額=(交換時点での仮想通貨Bの価格)-(取得時点での仮想通貨Aの価格)-(手数料)
「交換時点での仮想通貨Bの価格」は、日本円のレートに換算して計算する必要があります。
具体例:
保有している0.002BTCを88XRPに交換したときの所得額は以下のようになります。
- 取得時の0.002BTCの価格が2,000円
- 交換時の1XRPの日本円レートが25円
↓↓↓
- 所得額=[25円×88XRP-2,000円=200円] - 手数料
※Bybitの場合、「資産履歴」に通貨を両替した履歴が記載されています。
入手方法など詳しくは以下の記事をご覧ください。
3.仮想通貨で商品を購入したとき
支払いに仮想通貨を使って商品を購入したときに、所得が発生します。
所得の計算式は次のとおりです。
- 所得額=(商品の価格)-(仮想通貨の取得価格)
4.仮想通貨をマイニングしたとき
マイニングにより仮想通貨を取得したときに、所得が発生します。
マイニングのための電気代や機器代金などは必要経費として計上し、差し引きます。
- 所得額=(マイニングで取得した時点での仮想通貨の価格)-(必要経費)
5.証拠金取引でポジションを決済したとき
引用元:Bybit
仮想通貨FXや先物取引では、ポジションを持っただけでは所得は発生せず、ポジションを決済したときに所得が発生します。
たとえば10BTC分の買いポジションを建て、11BTC分の売り注文で決済できたとすれば、差額の1BTC分が利益となり、この差額から各種手数料を差し引いたものが「損益」となります。
そして所得額は、以下になります。
- 1年間に決済したポジションの損益を合計したもの
※Bybitの場合、「実現損益レポート」で損益額を確認できます。
入手方法など詳しくは以下の記事をご覧ください。
まとめ
Bybitで取引をおこない利益を得た場合の確定申告の必要性や課税対象になる取引とタイミング、所得額を求める方法についてご説明しました。
日本のレバレッジ規制により、国内から海外の仮想通貨取引所へ引っ越しをされた方、また、これから引っ越しを検討している方も増えてきていると思われます。
Bybitのような高レバレッジ取引ができ、追証のない海外の取引所は仮想通貨に投資する人々にとって大変魅力的です。
しかし、せっかくBybitで利益を得られても申告漏れで追徴課税などされないよう、日本に居住している限り日本で確定申告と納税義務があることは理解しておきましょう。